10月2日、広島グリーンアリーナでホーム開幕戦を迎えた広島ドラゴンフライズ。コートを彩るのは選手だけではない。今シーズンからパフォーマンスチーム「D*Flare(ディ・フレア)」に加わったKURUMIさんも、夢だったチアとして本格的な一歩を踏み出した。
“チアになる夢”追いかけ広島へ
開幕前の9月13日に行われたプレシーズンマッチ。コートサイドで、はじけるような笑顔を見せていたのが、今シーズンからD*Flareに加わったKURUMIさんだ。
長い髪を揺らしながら、客席に向けてパフォーマンスを見せる。
「すごくこみ上げるものがあって、いい一日になりました」
このコートに立つため、住み慣れた福岡を離れて広島へやってきた。
始まりは6月。2026年シーズンのD*Flare新メンバーを決めるオーディションに、KURUMIさんは福岡から参加した。
「D*Flareはメンバーが自分らしくのびのびとしているところが、個性が出ていて好きだなと思って、ここに参りました」
審査員を前に全力で自己PR。ダンスの技術だけでなく、客席を巻き込み、楽しませる力も求められる。
「盛り上がる準備できていますかー!」
明るい声を審査会場に響かせた。
オーディションを終えると、ほっとした表情を見せながらも気持ちは次へ向かっていた。
「また広島に来たいなと思いました。絶対来るぞ!」
事前準備に加え、積極性や自主性、周りを巻き込みながら場を盛り上げる力などが評価され、KURUMIさんは見事メンバー入り。2025年シーズンからの1期生を含め、D*Flareは11人で活動する。
「とてもうれしくて、これから頑張ろうと思いました。広島ドラゴンフライズのことはもちろん、ブースターの方々や広島のことを誰よりも愛して、愛されるチアになりたい」
レッスンのため福岡と広島を往復
メンバー入りを果たし、レッスンも始まった。
KURUMIさんのダンス歴は約2年。経験豊富なメンバーに囲まれ、振り付けを覚えるのも簡単ではない。
「不安だらけ。振り付けもスピードも覚える量も。今、お話を聞いただけで何曲あるんだろうと思って、それだけで心臓がバクバク」
経験の差を埋めるため、限られた時間の中で練習を重ねた。
「わからないところはそのままにしないで、必ずつぶしながら、ちゃんとみなさまの前でパフォーマンスができるくらいまでは…」
実はこのころ、生活拠点はまだ福岡にあった。
夜10時半過ぎ。レッスンが終わるとキャリーケースを引き、足早に広島バスセンターへ。福岡へ帰る夜行バスの最終便に乗り込んだ。
引っ越しまでの間、レッスンがある日は広島と福岡を往復。長距離移動もまた、夢への道のりだ。
「最初は体力的に大丈夫かなと思っていましたが、チアになれたうれしさ、成長できる期待感の方が強いのでまだまだ頑張れます」
時間も交通費もかかる移動を少しでも支えようと、母親がお弁当を作ってくれた。
「買うお金ないけん作ってって言ったら、母が持たせてくれて。帰りの分まで、ありがたいです」
そして8月上旬、ついに広島へ移住。新たに借りた部屋にも、チア活動へのこだわりが詰まっている。
「配信もするので壁にいろいろ貼ったりできるスペースを取りつつ、自宅で練習もできるようにと思って、ある程度の広さがあるこの部屋を選びました」
初めてのコート「表情で引き込みたい」
迎えたプレシーズンマッチ。ブースターの前で、初めてパフォーマンスを披露した。
「私たちのパフォーマンスを見て笑顔になったり、一緒に手をたたいてくれたり、コートがひとつになる感覚を味わえたらとてもうれしいなと思います」
オープニングダンスは、昨シーズンよりも難しい振り付けに。その中で意識したのが、かわいらしさだけではない「豊かな表情」だ。
はじけるような笑顔を見せたかと思えば、艶やかな表情ものぞかせ、見る人を引き込んでいく。
「同じようなテイストではなく違う表情を見られたら、飽きずに最後まで楽しんでもらえると思ったので、ちょっとフェイントをかけるような気持ちで踊りました」

また今シーズンからは、試合後にD*Flareとの写真撮影会も設けられた。コートの外でもブースターを楽しませる活動が広がっている。実際に参加した人からは交流を喜ぶ声が聞かれた。
「直接触れ合える機会がなかったのですごくうれしいです」
「キレが少し良くなっているような。ピシッとポーズが決まってカッコよかった」
“チアになる”という夢を追いかけ、広島でその夢を叶えたKURUMIさん。
「試合途中のコールも徐々に応援の声が大きくなり、ブースターも笑顔で帰ってくださってうれしかった。広島をしっかり盛り上げていきます。よろしくお願いします」
10月2日に行われたドラゴンフライズのホーム開幕戦。D*Flareの一員として、KURUMIさんも新たなシーズンをスタートさせた。
(テレビ新広島)

