台風26号の接近と秋雨前線の影響が重なり、再び大雨への警戒が高まる千葉県。
台風25号による記録的な大雨で印旛沼の堤防が決壊し、東京ドーム約6個分の敷地が浸水した千葉県成田市の「谷養魚場」では、復旧作業が進められている。
約10万匹いた魚はほとんどが死んでしまい、被害額は約10億円にのぼる可能性があるということだ。
代表の谷健治さんは、ホテルでの避難生活を続けながら、スタッフや地域のボランティアとともに営業再開に向けて奮闘している。
28日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、坂元龍斗リポーターが谷養魚場の現状を報告した。
■「本当に信じられない光景が広がっていた」160センチほど浸水
谷養魚場は、印旛沼の堤防から約500mの場所にある。
すでに水は引いているが、当時の深刻な被害を物語っているのが、店舗の外壁に残る水の跡だ。
地面から約160センチの高さまで水が達した痕跡が、壁面にくっきりと残っている。
横に並ぶ自動販売機にも同じように水の跡があり、施設全体がいかに深く水に沈んでいたかが分かる。
9月23日、ボートに乗って浸水被害の様子を取材していた坂元リポーターは、水が引いた養魚場を見て、感想を伝えた。
坂元龍斗リポーター:(当時は)本当に信じられない光景が広がっていました。いま、ここに来て初めて、『道がここにあったんだ』とか『店舗はこういう形をしていたんだ。生け簀がこういう場所にあったんだ』ということが分かりました。 それぐらい、一面、水に覆われてしまっていました。

■10万匹の魚のほとんどが死亡…生き残った2匹のアオウオ
店舗内の生け簀には、金魚やコイなど約10万匹が飼育されていたが、浸水によって、ほとんどが死んでしまったということだ。
そうした中、わずかな希望の象徴ともいえる存在が確認された。
日本最大級とも言われる、体長170センチほどのアオウオ2匹が、生け簀の中で生き残っていたのだ。
アオウオは8匹いて、6匹は行方不明のままということだが、2匹は元気に泳いでいるそうだ。
施設内はフォークリフトが行き交い、水に濡れた物資を外へ運び出す作業が続いていた。

■自力でできることは何もなかった
浸水が始まってからしばらくの間、水がなかなか引かない状態が続いていた。
谷養魚場・谷健治代表:24日の夕方ぐらいに、(膝くらいまで)水位が下がりました。25日の朝には、向こうまで長靴で普通に入れるくらいになったので、中のものを取り出して作業できた。
水は自然に引いたわけではなかったと話す。
谷養魚場・谷健治代表:『ぐーっ』と引いたので、多分ポンプを追加して何台か使って、排水したと思います。
排水されるまでは、谷養魚場の敷地内で自力で対処できたことは何もなかったということだ。

■ボランティアが約100人駆けつける SNSでも応援の声
水が引いた後、取り掛かったのは膨大な量の片付け作業。
週末には、100人ほどのボランティアが駆けつけたということだ。
谷養魚場・谷健治代表:1度はうちに来たことのある方々がたくさん来ていただいて、地元の消防団をはじめ、青年会議所、航空会社の方々、いろいろな方々がお手伝いに来てくれました。炊き出しも地元の女性の方たちが15人、20人集まっていただいて、ご飯を振る舞っていただきました。すごくありがたいです。
SNS上には、かつてここを訪れたことのある人々から「胸が痛い」「早く復旧してほしい」といったコメントが溢れていた。
また、谷代表は行政に提案して、養魚場の敷地を災害廃棄物の集積場として開放した。
坂元龍斗リポーター::被災地に来ると、災害時に発生するものをどこに置くかは必ず問題になっているので、行政も非常に助かったのではないかと想像しています。

■「堤防が壊れていなければ…」
谷代表は今回の浸水被害の原因をこう振り返った。
谷養魚場・谷健治代表:通常の雨でしたら全然問題ない。今回は大雨が降っても堤防が壊れていなければ、通常の雨で済んだはずなんですよ。それが堤防が決壊したことで、こういった状況になっているということです。
また、1日ごろに関東に接近する見込みの台風26号の被害を防ぐため、周辺では土のう袋を積み上げての応急処置が進められている。
谷養魚場・谷健治代表:備えるといっても、自分たちの力ではなかなかできないので、とにかく堤防が壊れたところを(行政に)直してもらって、こちらに水が来ないように。

■「1日も早く営業再開できるように」
谷健治さんはホテルでの避難生活を続けている。
谷養魚場・谷健治代表:毎日ホテル住まいなので、なかなか眠るのも、普段慣れた布団じゃないので、なかなか眠りにつけないという、正直な状況です。
それでも、営業再開に向け「スタッフ一同、全員で力を合わせて、1日も早く営業を再開できるよう前向きに頑張っています」と語った。
現在は店舗内の清掃や池の掃除を行い、様々な人に協力してもらいながら、復旧作業を進めているということだ。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月28日放送)


