疑惑が次々に出てくることから「タマネギ男」と揶揄される韓国・文在寅大統領の最側近、チョ・グク氏。運命の国会聴聞会を明日に控える中、娘が虚偽の履歴書を使用していたという新たな疑惑が浮上した。

チョ・グク氏の娘を巡る疑惑には、これまでにも「名門大学への不正入学疑惑」「奨学金の不正受給疑惑」があった。

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大学院進学時、虚偽の履歴書を作成か チョ氏の妻からの要請も

大学院へ進学する際、チョ氏の娘は履歴書に「別の大学でボランティア活動を行い、総長賞を受けた」と書いたというのだが、指摘を受けた大学の総長が9月4日、検察の聴取を受けて「総長賞は与えていない」と証言した。

東洋大学チェ・ソンヘ総長:
(総長賞の)決裁印を押すはずがありますか?押すことはあり得ないのに、それが押されたのです

さらに、この大学にはチョ氏の妻、チョン・ギョンシム氏が教授として勤めていて、総長は彼女から「総長賞を与える権限を委任したと話して欲しい」と要請されたことを明らかにした。それに対して、総長は「良心で断った」という。

チョ氏は「総長賞は事実だ」反論するもトーンダウン

この疑惑について、チョ氏は4日「総長賞の受賞は事実だ」と反論。また、自分の妻が大学側に圧力を加えたことは事実ではないと主張した。

ところが5日改めて質問をぶつけられると「詳細な内容は確認中です。明日全て申し上げます」とトーンダウンした。

チョ氏の娘への疑惑はさらに・・・またもチョ氏の妻の影が

チョ氏の娘への疑惑はさらに、大学在学中に企業などで労働するインターンシップでも。韓国科学技術研究院にわずか3日間働いただけで「修了証明書」を取得した疑惑も浮上している。

そしてこの疑惑にも、チョ氏の妻の影が・・・。妻の小学校時代の友人で、研究院の責任者である博士が関わったとされているというのだ。

研究院の関係者は「まだ確定ではありませんが、(検察の捜査で)はっきりした場合、当然(内部懲戒を)します」と語った。

この疑惑に父・チョ・グク氏は「新しく提起された疑惑に対しても釈明できるよう努力します」と述べるにとどまった。

あす国会聴聞会 チョ氏の発言に注目

チョ氏の法相指名を巡り、急遽6日に韓国国会で国会聴聞会が開かれることになった。 文大統領への支持を回復させることになるのか? 最側近でもあるチョ氏の発言が注目される。

Live News it!のスタジオでは風間晋解説委員に国会聴聞会で注目すべきポイントを聞いた。

加藤綾子キャスター
国会聴聞会のポイントは何でしょうか?

風間晋解説委員
やはり妻の疑惑を認めるかどうか。もし認めた場合は、そこにチョ・グク氏自身の責任があるのか、ないのか。これまでの説明から推測すると、たとえ責任があると認めたとしても「自分は関与はしていないんだ。しかし家族とのコミュニケーションは悪かった」と謝罪するのではないか。いずれにしても、6日の聴聞会を「大失敗」せずに乗り切れるかどうかが、チョ氏の政治生命にかかわって来るといえます。注目です

(Live News it! 9月5日放送分)