“ながらポテチ”が楽しめる 専用のアームが販売へ
3時のおやつに、仕事の息抜きに、ついつい手を伸ばしてしまうお菓子たち。
そんなお菓子たちにつきまとう、とある問題がある。それが、手の汚れだ。
去年、森永製菓は人気商品「チョコフレーク」の生産を今年の夏までに終了すると発表。
その理由のひとつが「手が汚れるため、お菓子を食べながらだとスマホを操作しにくい」というものだ。
確かに、お菓子を食べながらスマホを操作すると、液晶画面に指の汚れがついてしまって嫌……という気持ちはわかる。
不快感に対抗すべく、スナック菓子を「お箸」で食べる工夫をしているという人も多いだろうが、そんな悩みを解決するかもしれない専用アイテム「スマートポテトチップス」が、6月29日、株式会社タカラトミーアーツから発売される。
この「スマートポテトチップス」は、タカラトミーアーツがカルビー株式会社とコラボして生まれた、ヒトの親指とひと差し指を再現したロボットアーム。
スイッチを押すとふたつの指が閉じ、ポテトチップスをつまめるようになっているのだ。
この「スマートポテトチップス」に備わっている機能は4つ。
その内の3つは
・つまんだポテチを割りにくい絶妙な“つまみ力”を保つ「対象物破損防止クラッチ機構」
・テーブルに直接置いても指先がわずかに持ち上がり衛生的な「指先机上非接触機構」
・指先を左右にスリスリとすりあわせ、汚れを落とせる「疑似指先クリーニング機構」
となっている。
ロボットアームながら、なんとなく人間くさい動きにニヤリとしてしまう仕掛けになっているが、こんなの以前にもあったよな…と思った人もいるだろう。
実はこの3つは、2010年に同じくタカラトミーアーツから発売された「ポテチの手」と同じ機能。
ただ、この「ポテチの手」の進化版はこれだけではない。新たにプラスされた“4つ目”の機能となるのが、「スマホタッチ機構」。
アームの裏側にタッチペンがつき、ポテチを食べつつスマホが操作できてしまうのだ。
9年前に発売された際、「ポテチを食べても手が汚れない」と大評判になり、30万本以上を販売する大ヒット商品となった「ポテチの手」。
この「ポテチの手」があれば「スマホの画面が汚れる」という悩みはすでに解決されているはずなのに、なぜ今「スマートポテトチップス」を販売するに至ったのだろうか。
色々と気になってしまったので、さっそく、開発担当者に詳しくお話を聞いてみた。
「時代を反映できる商品を」
――「スマートポテトチップス」開発のきっかけは?
今の若者たちはスマホを操作する際に、画面が汚れるのが嫌ということでポテトチップス等のスナック菓子に直接触れずに箸などを使って食べることがあるという話を聞きました。
そこで弊社でも以前発売した「ポテチの手」を思い出し、商品化したいと思ったのがきっかけです。
同じものを作るのではなく、時代を反映できるような商品にしたいと思い、スマホ操作もこれ1本で操作出来れば面白いのでは?と考え、「スマートポテトチップス」が生まれました。
――タッチペンがついた「スマートポテトチップス」一番の利点は?
例えばポテトチップスを食べるのに箸とタッチペンを使用すると考えると、両手にそれぞれを持って操作する人は少ないと思いますので、その都度持ち直しが必要になります。でも「スマートポテトチップス」ならば持ちかえることなくサクサクと操作ができ、ポテトチップスをつまんで食べ、すぐにスマホを操作することも可能です。
あとは、玩具メーカーならではのちょっと「クス」っとしてもらうエッセンスを入れたかった、という理由もあります。
「指を汚したくない」だけなら「ポテチの手」があればOK、「スマホを汚したくない」だけならタッチペンがあればOK…なのだが、「これひとつあれば色々なことができる」というのが“スマート”なデバイスの条件。
持ち替えのロスタイムをなくし、おやつタイムをより快適にサポートしてくれるという点が、「スマートポテトチップス」が「スマート」の名を冠する理由のようだ。
それにしても、「ポテチの手」ヒットの理由だった「手が汚れるのが嫌」から「スマホを“ながら操作”できないのが嫌」へと、スマホの普及が我々の“おやつタイムのワガママ”にも影響しているというのは興味深い。
この“スマート”さはSNSでもすでに広まっているようで、「無駄にかっこいい」「人類はついにポテチとスマホを両立する発明をした」などのコメントも挙がっていたが、一方で根強いのが「お箸派」。
「ちょっと気になるけど、お箸でいい」「箸とタッチペンでいいじゃん!」などの意見も見られた。
「お箸派」にもオススメのポイントがある
――根強い「お箸派」にもオススメなポイントは?
もちろん、箸ではスマホは操作できないのが最大のポイントではないか?と思います。あとはおもちゃっぽい見た目と「指先クリーニング機構」などこだわりの機能も楽しんでいただきたいです。
ポテトチップスにちなんだ「うすしお」「のりしお」「コンソメパンチ」の3種類と、「ピザポテト」の計4種類のカラーバリエーションがあり、使用後は軽く水洗いしてお手入れもできる。
気になる価格は1,280円(税抜)、すでに多くの予約申し込みがあるとのことだ。
「スマートポテトチップス」に続く「○○しながらお菓子が食べられる」グッズの展開は現在予定されていないというが、「『食を楽しくする』ことをテーマにした商品は常に開発しています」ということなので、今後も注目したい。
“ながら○○”は場合によっては危険なこともあるが、ちょっとアナログなスマートデバイスで“ながらポテチ”を楽しんでみてはいかがだろうか?