「エイジフレンドリーシティ」とは、世界保健機関(WHO)が提唱する、高齢者に優しい都市をつくる取り組み。世界各国のさまざまな自治体が参加して広がりを見せているが、実は日本の自治体として最も早くこの取り組みに参加したのが秋田市だ。

 秋田市ではイベントを開催して、高齢者に健康に生活を送るための身体機能についてアドバイスしたり、便利に暮らせるようスマートフォンの操作を教えたりと、明るく元気に暮らせる取り組みを応援している。

 この取り組みの一環として4月30日、高齢者ではなく、高齢者を受け入れる側の人たちがエイジフレンドリーを勉強した。

 参加したのは、全国から様々な年代の客が集まる秋田市の秋田キャッスルホテルの社員。身体機能が衰えてくる高齢者に快適に過ごしてもらう方法を、体験しながら学んだ。 

 若手社員が身に着けたのは、重さ2キロのベスト。重心が前に傾き、腰回りに衰えが見える高齢者の歩き方を体験した。

 「高齢者疑似体験会」は今回初めて開催された。新入社員を中心に18人が、年を重ねることで筋力・視力・聴力が衰える高齢者の苦労を、様々な道具を使いながら身をもって感じた。

 高齢で視野が狭くなった様子を再現する眼鏡は、目の前の色も変わり、近くの椅子もはっきり見えない。

 眼鏡・ベストに加え、足や腕に重りをつけ、さらに関節が簡単に曲がらなくなり、手足をスムーズに動かしにくいサポーターを装着する。

 階段を一段一段上るのも、関節が曲がらないのでとても上りにくいことがわかった。

 参加者は、財布から金を出したり雑誌を読んだりと、日常生活で当たり前の動きでも高齢者には難しいこともあると学んだようだった。

 男性社員:
「エレベーターなど、ボタンが見えなくて押しづらい。手も上がらないという状態で大変だった」

 女性社員:
「お年寄りのお客さまが多いので、この経験を生かして、さらに良い接客ができるようにしていきたい」

 秋田キャッスルホテル営業部・石井陽子チーフ:
「積極的に声掛けができるようなスタッフになってほしい」

 秋田キャッスルホテルでは、全ての人に寄り添ったホテルを目指して、これからも様々な研修を企画する予定。

秋田テレビ
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