300年以上の歴史を持つ福島県浪江町の伝統工芸品「大堀相馬焼」。避難先のいわき市で作品作りを続ける窯元で新作の窯出しが行われた。

陶吉郎窯・近藤学さんは「窯出しって一番いつも緊張する。登り窯ってまた特殊なんでね」と話す。
大堀相馬焼の窯元・陶吉郎窯。5月2日いわき市の工房で、焼きあがった作品を窯から取り出す「窯出し」の作業が行われた。

陶吉郎窯は1760年の創業から代々浪江町で大堀相馬焼を作り続けてきたが、原発事故で避難を余儀なくされた。
九代目の近藤学さんは、避難先のいわき市で工房を再建。伝統の登り窯を使った技法にこだわり、作品づくりを続けてきた。「伝統って捉え方みんなそれぞれ色々あると思うんですよ。その伝統のシンボルは自分のなかではやっぱり登り窯」と近藤さんはいう。

1200℃を超える炎で5日間焼き上げる「窯焼き」を経て完成したのは、湯呑や皿など約700点。近藤さんは「なかなかね、抜群だっていうわけにはいかないんだけれども、でもそれなりにおもしろい作品も多くとれたかなって感じですね」と手ごたえを感じた様子。
現在はいわき市と浪江町2つの拠点で活動を続ける近藤さん。2日に完成した作品は、3日から開催の展示即売会に出品される。

福島テレビ
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