愛媛の南予の広い範囲を大きな揺れが襲ってから一夜明けた１８日、地域の被害の様子が見えてきました。最大震度６弱の揺れを観測した愛南町では、歴史的な遺産に被害が出ています。
震度６弱を観測した愛南町外泊地区の上空。観光名所にもなっている「石垣の里」の石垣が崩れているところも。江戸時代から積み上げられてきたという歴史の重みが一瞬で崩れました。階段にも石が散乱し通れない状況で住宅の瓦も崩れています。
酒井麻衣：
「地震の影響で民家の近くまで、石垣が倒れてきてしまっています」
住宅の玄関先ギリギリまで落ちてきた多数の石。一歩間違えれば家屋にも被害が出るところでした。
石垣が迫った家の住民：
「びっくりした。ゴーっという音で目覚めた」
今回の地震でこの地区では１０カ所の石垣が崩れ、道路を埋めつくすほど石が崩れ落ちた所もみられます。
愛南町外泊地区・吉田幸稔区長：
「石がたくさん落ちているのはココ。集落の人たちがお墓に向かう生活道路なので、生活に支障が出る」
これまで地震で石垣が崩れたことはあったものの今回は想定以上の被害が発生。今後、住民たちで協力して現状の復旧を目指す考えです。
また被害は町内のお寺「延命寺」でも。
吉田学生住職：
「明るくなってからようやく分かりましたけど、まさかここまでの被害出てるとは思ってなかった。何回も余震があって地鳴りのような音が昨晩絶えなかった」
延命寺では墓石１０基ほどが倒れたり、境内の墓石半分以上が傾いたりするなどの被害が出ました。
吉田住職：
「石屋さんにきょう見ていただいて。夏のお墓参りのシーズンを間もなく迎える。できればお墓参りしていただける状態に何とかもっていけないか希望はある」
町内の全校児童１５人の緑小学校では、教員が見守るなか児童が登校しました。
先生：
「きのう夜中、大きな地震がありましたね。１１時すぎでしたね。家の方は大丈夫でしたか」
登校する児童：
「冷蔵庫に置いてあった皿が割れただけ」
先生：
「このあと１週間はいつ（地震が）起きるかわかりません。自分で自分の身は自分で守れるように十分気を付けてください」
不安な夜を過ごした子どもたち。改めて命を守る意識を高めました。
