17日夜に発生した最大震度6弱の地震は、南海トラフ地震の想定震源域で起きた。

南海トラフ地震の事前避難対象地域の愛媛・愛南町から、フジテレビ・木村拓也キャスターが中継でお伝えする。

――住民の方の受け止めはどうか?

取材をしている地区では、ほとんど全員が南海トラフ地震の臨時情報を「知らない」、あるいは「きょう初めて知った」という答えだった。

17日の夜の地震で臨時情報が出ていたら、地元は相当なパニックになっていたと感じる。

とはいっても、地元の方が地震・津波に関して危機意識がないわけではない。

17日の夜の揺れがあって、津波の情報は出ていなかったたが、念のため、道を駆け上がって高台へと避難した住民もいる。

夜の避難行動は難しいが、体で覚えていたということだろう。

やはり、自分の命を守る「自助」という部分は、地元の皆さんもよくわかっている。

ただ、臨時情報はやはり「自助」の先、「共助」という部分が大きく関わってくる。
町内会やコミュニティーなどで情報を発信して、受け取って、日ごろから訓練をしていくことや「何が必要なのか」を事前に話すということが、難しいが大切になる。

能登半島地震の被災者の人が、「有事の際にできるのは体で覚えていることだけだ」と言っていた。

今夜、揺れがあって臨時情報が出たら、適切な行動ができるだろうか。
今一度、話し合ってみてほしい。

そして今回の地震のマグニチュードは6.6だったが、もし0.2高かった場合、専門家による検討会の判断次第で、被害がなかった地域でも住民が1週間の事前避難をしなければならないという事態になっていた可能性もある。

南海トラフ地震で事前避難が検討されているエリアは、神奈川や千葉を含めた139の市町村。
こうしたエリアに住まわれている方々が、深夜に避難しなければならなかったかもしれない。

なぜ1週間の避難が必要なのか。

東京大学・地震研究所の笠原名誉教授は、「一般的な地震だと1週間程度すれば強い地震の発生リスクは低くなる。ただ、あくまで目安であり、状況によっては期間が延びることもある」という。

事前避難も含めて、普段から飲料水や食料、スマートフォンの充電、どこに避難するかということを家族で決めるなど、地震への備えをすることが大切になる。