韓国の総選挙は、先ほど投票が締め切られた。
激しい総選挙が繰り広げられたが、“長ネギ”が物議を醸している。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権への中間評価とされる韓国の総選挙。
その選挙戦では、異様な光景が繰り広げられた。
野党各党が、長ネギを手に政権批判を展開した。
きっかけは3月、尹大統領がソウル市内のスーパーを視察した際だった。
与党「国民の力」・尹錫悦大統領大統領「(私も)市場をたくさん見てきたので、長ネギが875ウォン(約98円)なら合理的な価格だと思う」
1束、日本円で約98円。
特売価格の長ネギを見て、「妥当な値段」と発言。
物価を知らないのではと、批判の声が上がった。
長ネギは韓国語で「テパ」と発音。
「大破」と同じ発音だったことから、政権を大破するシンボルとして、野党が長ネギを掲げた選挙戦を展開した。
深刻な少子化や物価高騰など、課題が山積みの中で、300の議席を争う韓国の総選挙。
与党「国民の力」・韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長「投票所で皆さんの1票で国を救ってください」
少数与党「国民の力」と、過半数の議席を持つ最大野党「共に民主党」の対決が軸。
しかし、野党側にも物議を醸す事態が...。
最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が先週末、街頭でのあいさつを終え車に戻った、その時だった。
野党「共に民主党」・李在明代表「仕事をしているふりをしたね。ああ、腰が腰がとても痛い」
撮影が続く中、「仕事をしているふりをした」と発言。
この様子が自身のYouTubeチャンネルで生配信されると、非難の声が上がった。
そして、今回の選挙で注目を集めているのが、新党率いる曹国(チョ・グク)氏。
野党「祖国革新党」・曹国元法相「あす、誰でもない私たち自身の手で尹錫悦政権に審判を下すことができます」
文在寅(ムン・ジェイン)政権では、法相を務めた曹氏。
しかし娘を大学院に進学させるため、書類を偽造した罪など、タマネギの皮をむくように次々と疑惑が発覚したことから、“タマネギ男”との異名がある。
曹氏は懲役2年の実刑判決を受け、現在上告中。
タマネギ男が長ネギを持ち、政権批判を繰り広げることに、街から厳しい声も上がっている。
街の人「罪を犯したのに、どうやって国家の仕事を担えるの。法律を破ったのに」
投票所に長ネギが持ち込み禁止となるなど異様な空気の中、迎えた10日の投票日。
今回の総選挙では、与野党が互いを非難することに終始しているとして、若者からは批判的な声が多く聞かれる。
街の人「自分たちだけでけんかばかりして、あまり国のことを考えていない感じがする」
現地メディアによる情勢は、野党が優勢。
与党が大敗すれば、対日関係を重視してきた尹政権が求心力を失うことから、日本への影響も懸念される。
11日未明にも大勢が判明する見通し。