4月8日、村井知事が「見直し」について言及した国民体育大会、国体についてです。「今の形式での大会は廃止も視野に入れるべき」という知事の考えに、スポーツ関係者からは様々な声があがっています。

宮城県 村井知事
「今のように47都道府県が順番にほとんどすべての競技を1カ所に集めて、年に1回やるのは見直すべき、やめるべきじゃないかという意見を県は出した」

8日、村井知事が言及した国体の在り方をめぐる見直し論。毎年、各都道府県で持ち回りで開かれる国体について、「今の形式での大会は廃止も視野に入れるべき」と述べました。最大の理由は財政負担の重さ。選手や関係者の交通費や宿泊費などは毎年、各都道府県が負担していて、こうした運営の在り方に一石を投じました。

宮城県 村井知事
「2035年の3巡目に入る時にちゃんとしておかないと、また47年、50年間同じことをずっとやっていかないといけないですから、本当にどうすれば良いのかを、ここで立ち止まってよく考えていく必要があるのかなと思っていますけどね」

こうした村井知事の発言に反応したのは、3年後の国体会場に今年、内定したばかりの宮崎県です。

宮崎県 河野俊嗣知事
「これはおそらく議論喚起をするために高めの強いボールを投げられたという印象は受けます。今までと同じようなやり方でいいのかは、しっかり議論する必要があろうと考えています」

一方、県内のスポーツ関係者からは…。県代表として過去5回の国体優勝を誇る、古川学園の女子バレーボール部、岡崎監督です。高校バレー界では春高、インターハイそして国体が、「三冠」に数えられる重要なタイトルです。

古川学園女子バレー部 岡崎典生監督
「郷土の誇りをかけて戦うというバレーボール界にとっては、本当に大事な大会ですよね。廃止という言葉は寂しいなというのが本音ですね」

一方、選手などの派遣費用などについては、「一番大きな問題」と理解を示します。

古川学園女子バレー部 岡崎典生監督
「国民体育大会と言うだけあって、地方がもう賄いきれないとなったら、最後は国が面倒を見るべきだと思います。スポーツというのは国民にとっても、我々にとっても大事な文化なので、何としても存続してほしいと思います」

そして、フェンシング元日本代表で、県スポーツ協会の千田健一会長は。

県スポーツ協会 千田健一会長
「競技の普及とか、生涯スポーツの推進とか、国体が果たしてきた意義は、私は大きなものがあるんじゃないかなというふうには捉えていますけど」

今後の存続については…。

県スポーツ協会 千田健一会長
「競技種目が増えて大会が、かなり肥大化しているということは現実にあると思うんですよね。見直しは避けては通れない部分はあるのかなと。ただ、やっぱりぜひ存続については、お願いをしたいなという気持ちはありますね」

さまざまな関係者に議論を巻き起こす形となった知事の発言。あくまでも「廃止ありきではない」としています。

宮城県 村井知事
「マイナーなスポーツだとか、障害者スポーツ大会、これは必要ではないかという意見もありますよね。ですから何もかもやめてしまえではなくて、今と同じやり方を3巡目もやるということについて、本当にそれが良いのかどうかということは一旦立ち止まってよく考える必要があるのではないか」

仙台放送
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