前田穂南選手など、女子マラソンで5人のオリンピック選手を生み出した名門に、春が訪れました。創部32年の歴史を誇る天満屋女子陸上競技部に高卒新人選手2人が入部し、新しい監督のもと、始動しています。

1992年4月に創部した天満屋女子陸上競技部。2023年11月、実業団駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝で4年ぶりにシード権を獲得。24年に入って前田穂南選手(27)がマラソンで日本記録を更新し、パリオリンピックの代表に内定するなど、23年度は上出来の1年となりました。

そんなチームに、この春、2人の高卒新人選手が入部しました。佐賀県出身の山口綾選手(18)と、大阪府出身の新井えりか選手(18)です。

(天満屋 新井えりか選手)
「先輩方のように世界で戦えるような選手になれるように頑張っていきたい」

(天満屋 山口綾選手)
「駅伝で区間賞をとることが目標。その目標を達成したい」

粘り強い走りが持ち味の山口選手は佐賀県の白石高校出身。2年生の時、全国高校駅伝で1区を務めました。しかし、3年生の時には辛い経験も。

(天満屋 山口綾選手)
「ラスト1年、大事な大会前にケガをしたり、体調を崩したりすることが多く、地域の人に応援してもらった分の恩返しができなかった。自己管理を行って自分の走りや結果で地域の人や応援してくれる人たちに活力を与えられるような選手になりたい」

積極的な走りが強みの新井選手は、東大阪大学敬愛高校出身。23年12月に初めて出場した全国高校駅伝ではアンカーを務めました。憧れは同じ関西出身で、高卒で天満屋に入部した前田穂南選手です。

(天満屋 新井えりか選手)
「(前田選手は)高校で目立った成績を残していない中、パリ五輪マラソン代表で選ばれ、すごく憧れ、尊敬している。ハーフマラソンで納得のいく結果が出せたら、少しずつマラソンにも挑戦していきたい」

4月1日、2人は天満屋グループの入社式に臨み、岡山の地で社会人としての新たな一歩を踏み出しました。

(天満屋 新井えりか選手)
「陸上部として走りで恩返し、仕事もしながら結果も残して、地域貢献できるように頑張りたい」

(天満屋 山口綾選手)
「不安はもちろん大きい。自覚を持って自分のするべきことを一つ一つしっかりやっていきたい」

チームは3月、長年、指揮をとってきた武冨豊監督(70)が退任。4月1日付けでヘッドコーチを務めていた山口衛里監督(51)が新たに就任しました。シドニーオリンピック女子マラソン7位入賞の実績を持つ山口新監督。新人選手と同じく、監督もこの春、気持ちを新たにしています。

(天満屋 山口衛里新監督)
「まだあんまりしっくり来ていない。選手と日々向き合いながら取り組んでいる。岡山を元気に、感動を与えられるようなチーム作りをしていきたい」

名門に訪れた春。新たな歴史がスタートしています。

岡山放送
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