新型特急やくもに沿線が沸いた一方で水を差す出来事も発生しました。デビュー当日の6日、鉄道ファンに人気の撮影スポットがある区間で、線路内に人が立ち入り、列車の遅延が発生しました。「迷惑な撮り鉄」によるものかは分かっていませんが、JRや警察などはマナーを守るよう呼びかけています。
新型やくものデビューには沿線からも熱い視線が…。鳥取県日野町にある撮影スポット、通称「ネウクロ」。雄大な自然と車両を一緒に撮影できることから「撮り鉄」の聖地として有名です。この日も多くの鉄道ファンが、ブロンズに輝く車両にレンズを向けていました。

鉄道ファン(愛知県から)
「新型やくもと旧型やくもが両方走っているのは今だけなので、撮りにこようかなと思って。大好きな車輛なので、撮影できて嬉しい」

しかしこの人気スポットの周辺で、新型やくもの門出に水を差す事態が発生しました。JR西日本や黒坂警察署によりますと、6日午前11時ごろ、沿線の住民から「根雨駅と武庫駅の間で線路内に人が立ち入った」という情報が寄せられました。
安全確認のため、電車が現場付近を速度を落し通過したことにより、やくも2本に最大約20分の遅れが発生しました。

鉄道ファン
「正直何やってくれているだという感じはあります」
「まず周りのことを考えてほしいなと思うし、ちゃんとルールを守ってやっている人がいる中で、非常に憤りを感じますねそういう人には」

迷惑な「撮り鉄」によるものかは分かっていませんが、現場周辺を訪れてみると…

田中祐一朗記者
「こちらの男性、線路のすぐ近くでカメラを構えています」

マナー違反とみられる行為も確認できました。
このスポットでは、過去にも度々、私有地や線路内への悪質な立ち入り、違法駐車やポイ捨てなど、迷惑な「撮り鉄」の問題行動が確認されていました。

周辺住民
「踏切のあたりの知人の田んぼで困っておられて、缶が並べてあったり、田んぼの中に落ちていたり」

問題解決のため、JRや警察、日野町、それに近隣住民は、警備の強化や防護柵の設置などの対策を講じてきました。さらに…。

田中記者
「あちらの踏切、撮影スポットとして多くの”撮り鉄”が訪れ、違法駐車が問題になっていましたが、こちら”撮り鉄”関係者用の駐車場が用意されています」

撮影スポットの近くに「撮り鉄関係者専用駐車場」を設け、約20台の車を停められるようにしました。

鉄道ファン
「町を挙げて優遇いただいていると認識していて、他のところでもここまで環境を整えてくれる場所は正直ない」

根雨駅・和田駅長
「駐車場を整備してからご覧のように(違法駐車が)一台もないです。鉄道ファンと会話をすると非常にありがたいと、置くところがあるから安心して撮れると、田んぼをする方の邪魔にもならないし、非常に感謝すると言われています」

町によると、駐車場を設置したこともあり、この土日は駐車トラブルはなかったといいます。沿線地域を盛り上げる存在でもある鉄道ファン。共存に向けて関係者の苦心は続きます。

TSKさんいん中央テレビ
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