3月上旬、新潟市で返済する必要のない給付型の奨学金を受ける奨学生たちによる成果報告会が開かれ、関係者に感謝の気持ちが伝えられた。一方で関係者は、給付型奨学金を知らない学生にもっと広まってほしいと話した。
返済する必要がない“給付型奨学金”
3月3日、新潟市で開かれた奨学生の成果報告会。報告会では、国内における奨学金の現状などが伝えられた。
この記事の画像(5枚)アメリカやイギリスなどでは民間の奨学金団体も多く、自分に合った奨学金制度が整った団体を選ぶことができるが、日本ではそこまで民間の団体が多くなく、50代になっても奨学金の返済に追われる人も多いという。
こうしたことが奨学金制度を利用するハードルの一つになっていると考えられるが、いまは返済する必要がない給付型の奨学金も存在している。
奨学生が感謝「弓道部への入部叶った」
報告会の後半では、実際に給付型奨学金を受けて高校などに通う11人が出席し、奨学金に助けられた経験や今後の目標などを話した。
ある男子生徒は、金銭的な問題で諦めていた弓道部への入部が、奨学金をもらったことで叶ったという。
「英語の教材を買って勉強することも、弓道部に入ることも、給付金を受けていなかったら始めることがなかった可能性があるので給付金にとても感謝している」
また、教材の購入費に奨学金を充てられたことで勉強のモチベーションも上がり、就寝前に英語のシャドーイングを行うのが日課になったほか、英語の成績も上がったという。
返済に悩む人多く… 給付型奨学金の普及目指す
日本学生支援機構によると、大学生の半数が何らかの奨学金を受給している一方、返済に悩む人が多いことが課題となっている。
この報告会を主催した団体の一つである、新潟ろうきん福祉財団の中川亨専務理事は「我々みたいな民間の奨学金団体が給付型奨学金の存在を広めて、目の前の困っている人たちをもっと支えたい」と、多くの人に給付型奨学金の制度を知ってもらい、金銭的問題でやりたいことを諦めないでほしいと話した。
(NST新潟総合テレビ)