オスプレイの飛行再開について政府は11日、県や宜野湾市といった関係自治体に説明したものの事故原因の詳細などは明らかにされませんでした。

安全性への懸念が強まるで政府が運用再開の準備を進める背景を読み解きます。

▽宜野湾市 松川市長:
「オスプレイの機体の安全性についてはオスプレイの設計と構造に問題は無いという説明でありました」

去年11月、8人が死亡する墜落事故を起こしたアメリカ軍のオスプレイ。

アメリカ軍は今月「特定の部品の不具合が発生したことが事故の原因」と結論付け、全世界で運用を再開すると発表しました。

▽木原防衛相:
「専門的な見地から、あるいはオペレーションする側の立場からも合理的であるというふうに評価をしており、私もそのように感じましたので、安全に運用を再開できるというふうに考えています。」

アメリカ側から詳細な説明を受けたという一方、事故原因など具体的な中身については公表できないとしています。

そうしたなか、きのう沖縄防衛局の伊藤局長が宜野湾市の松川市長に説明に訪れました。

非公開の面談で伊藤局長は事故の再発防止策として機体を整備する頻度を増やすなどといったアメリカ側の説明内容を伝えたということです。しかし・・・

▽宜野湾市 松川市長:
「部品の交換とかは無いようですね。この内容ではなかなか理解というか納得という形にはなりませんよという事は申し上げました」

運用再開へ前のめりにも見える政府の姿勢について安全保障が専門の沖縄国際大学・野添文彬准教授は「軍の理論が優先されている」と話します。

▽沖縄国際大学 野添文彬准教授:
「特に海兵隊がやろうとしている離島に部隊を展開させていくっていうようなEABO(遠征前方基地作戦)の実施ということにおいてもオスプレイは非常に大事な役割を果たしているっていうのは日本政府も共有している所でありますね」

また、野添さんはアメリカ軍と同時に自衛隊のオスプレイも運用を再開する狙いがあるのではないかと指摘します。

▽野添文彬准教授:
「自衛隊もですねオスプレイを運用しようとしていて佐賀空港を拠点にしようとしている段階で起こった今回の事件なわけなので、一刻も早くオスプレイの安全性を再確認して自衛隊のオスプレイも運用させたいというのが日本政府の考えでもあったはずですね」

こうした思惑によって地元の安全や生活への影響が置き去りにされてはならないと野添さんは批判します。

▽野添文彬准教授:
「原因究明とかトラブルの改善っていうのも100%ではない中で飛行が再開されるっていうのは非常に危険なことだと思いますし、再び事件・事故につながって沖縄住民の反発を招けばそれこそやっぱり日米同盟の足元を崩すことになるのではないかと思いますね」

国民への十分な説明を欠いたまま安全保障や安定的な日米同盟を維持することができるのか。国としての姿勢が問われています

沖縄テレビ
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