自民党青年局の近畿ブロックの会議後の懇親会で、肌の露出が多い女性によるダンスショーが行われ、口移しでのチップ渡しなどがあった問題について、12日の閣議後の会見で、岸田内閣の女性閣僚に質問がとんだが、苦言や批判の中にも微妙な温度差がにじんだ。

加藤鮎子男女共同参画相は、「会の趣旨にそぐわない極めて不適切な内容の余興が企画・実施され、国民の不信を招いたことは誠に遺憾だ」と厳しく批判した。さらに、懇親会を企画した和歌山県議がダンスショーは多様性の観点で発案したなどと説明したことについて「ダイバーシティや多様性という言葉が用いられたようだが、政府が目指すこれらを尊重する社会とは文脈も次元も異なる」と指摘し「仮に女性の参画がしっかりと確保されていたのであれば、あのような演出にはならなかったであろうということを考えると、自民党の組織のダイバーシティやインクルージョンが十分に進んでいないという問題が今回の事案の根底にある」と指摘した。

自見英子万博相も「今回の件は会の趣旨にそぐわない、極めて不適切で軽率な内容の余興が企画・実施され、国民の不信を招くことになり、大変残念に思っている」と批判した。その上で「ダイバーシティや多様性というものでは全くないと思う。政府が目指す多様性が尊重される社会というのは、全ての人の自らの意思に基づき、個性と能力を十分に発揮できる公正で多様性に富んだ活力ある持続可能な社会だ」と指摘し、青年局の新体制のもとで取り組みが進むことに期待を示した。

一方、高市経済安保相は「私はどのような演出がされたのかはわからない。ただ、ダンスそのものというのは、文化芸術の一つだと思っている。露出の多い衣装だと報じられていたが、例えばベリーダンスとか、サンバを私も見に行った時に、わりと露出の高い衣装だった記憶がある」と述べ、懇親会で実施されたダンスショーやその衣装に関する評価は控えた。一方で「もしもダンスをしていた女性に対し、その尊厳を傷つけるような行為をした出席者がいるとしたら、それは不適切で、残念なことだと思っている」と語った。

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