虐待の末に4歳の娘を死亡させた罪に問われていた三重県津市の工場作業員・中林りゑ子被告(43)に、懲役6年の判決が言い渡されました。
婚姻歴がない中林被告は、ほのかちゃんを自宅の風呂場で出産し、シングルマザーとして娘3人を育てていました。
判決言い渡しの後、西前征志裁判長は「裁判官、裁判員からメッセージがあります」と語り掛けました。
「今日、我々は裁く側と裁かれる側に分かれましたが、1人で子育てを頑張ろうという気持ちは疑っていません。尊い命が失われる取り返しのつかない結果となった。
一つは、自分だけで判断し適切な対処ができなくなったと思う。周囲の人に頼る、もっと言えば甘えることも必要だったのではないか。ほのかちゃんの命が失われなかったのではないか。非常に残念に思う。
社会に出るのにはまだ数年かかるが、家族をはじめとした他者との接し方が重要になる。人に頼ったり相談しながら、人生の姿勢を根本的に変えることが必要。
1人で出産するような無茶なことはせず、心や体を大切にしてほしい。自分を大事にできないと他者も大事にできない。残された2人のお子さんのためにも、更生の道を歩んで下さい」
裁判長が穏やかな口調で話を終えると、中林被告は小さな声で「はい」と返事をしました。