3連休、多くの観光客でにぎわう世界遺産・東大寺の参道で、観光客が犠牲となる事故が起きました。

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「奈良の大仏」で知られ、日本有数の修学旅行先や観光地である東大寺の参道。
25日午前9時50分ごろ、車が暴走。男性2人をはね、近くの石垣に突っ込みました。

この事故で、観光に訪れていた台湾出身の62歳の男性が死亡。別の男性も腰の骨を折る重傷です。

事故の目撃者:
(被害者は)ものすごい頭から血を流して、赤いところで横になって救急車を呼んで。うちが呼んだんですけど、すごい血が流れてて意識がなく、横たわってはりました。

警察は、車を運転していた男(79)を、過失運転致傷の現行犯で逮捕しました。

近隣住民「真面目で誠実な人が一体なぜ…」

事故から20分後に撮影された映像を見てみると、現場周辺には、赤色灯をつけた警察車両や消防車が集まり物々しい雰囲気が伝わってきます。

雨が降っていたにも関わらず、多くの観光客が訪れていた参道。

めざまし8が現場を取材すると、事故現場は歩行者の専用道路だったことがわかりました。

田中良幸情報キャスター:
このあたりは本当に多く土産物店が立ち並んでいる場所となっています。観光客も多い場所となっていますが、ここ自体は道路標識がありますけど、歩行者の専用道路ですね。
関係者によりますと、この土産物店の関係者だけは車で行き来することができるということです。

事故を起こした男は、現場付近の土産物店の店主。
事故当時運転していた車は、“いつもとは違う動き”をしていたといいます。

事故の目撃者:
(普段は)車ゆっくり通りますの、品物持っていくのに。きょうはビューってえらいスピードで行きはったからね、私もびっくりしてね。びっくりしてちょっと見たらあの店に突っ込んで。

事故の目撃者:
パッと見たらボンネットに人が乗っかっていました。そのあとに車がお隣の店の方まで行って、激突した石垣に突き刺さって止まりました。
ブレーキ音は聞かなかったです。ずっとスピード出てたような気がします。

目撃者によると、参道に入ってきた車は、土産物店に向かってスピードを落とさず、男性をボンネットに乗せた状態で走行。そして、店の前の傘立てに当たると、5秒ほど停止。
しかし、その後、別の方向へ発進。もう1人の男性をはね、石垣に突っ込んだといいます。

事故後に撮られた写真には、前方部分が大破し、フロントガラスにはヒビが広がった車の姿が。衝突の大きさを物語ります。

事故を起こした時、男は…。

事故の目撃者:
ぼーっとしてるような様子で顔はちゃんとは見てないけど立っていましたね。ぼーっと。
警察が来て、警察の人がいろいろ聞かれてはったけど、ぼーっとした感じで立ってはりましたね。いつも真面目で誠実にお仕事されて、朝も店の前を掃かれていたりして。誠実な方です。

警察の調べに、男は、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しているということです。
3連休のさなか、人気観光地で起きてしまった高齢ドライバーによる暴走事故。警察は危険運転致死の疑いも視野に、捜査を進めています。
(めざまし8 2月26日放送)