1月23日、さいたま市で新幹線の停電の復旧作業中、線路上で起きた作業員の感電事故。イット!が新たに入手した5本の動画には、“助けたくても近づくことができない”という緊迫の救助の瞬間が映し出されていた。
目撃者「肩が燃えているのは衝撃だった」
線路の上に倒れているのは、感電した作業員の男性。その足と肩部分には火がついている。
この記事の画像(9枚)別の作業員2人がペットボトルの水で消火を試みると、倒れている男性自身も手でもみ消そうとする。
しかし、隣の線路を電車が通り抜ける頃、作業員たちは火がついたままの男性から離れていったのだ。
なぜすぐに火を消そうとしなかったのか。目撃者はこう証言する。
目撃者:
「離れろ」とか言われて、(消火を)対応した方がそのあと離れていった。
男性がどのように感電したのか、確認できていない事故直後。さらなる感電事故を避けるため、他の作業員たちは近づくことができなかったようだ。
思うように消火活動ができなかったからか、男性が寝返りを打つと作業服の背中側は焼け落ち、肌が見えていて、男性が倒れていた枕木部分も真っ黒に焦げていた。
目撃者:
洋服が半分くらい焼け落ちていて、肌が足とかあらわになっていて。その(倒れている)方は少し動いてた。肩が燃えているのは衝撃でした。
一連の救助について専門家「適切な判断」
その後、搬送された男性は全身やけどの重傷。救助にあたっていた作業員1人も軽傷を負っている。この一連の救助について専門家はこう話す。
労働安全コンサルタント 森山哲さん:
感電に気づいて倒れている方に近づかなかった、手を引っ込めたたというのは、大変適切な判断だったと思う。接触すると、最悪は命を失うということになりかねません。
2人のけが人を出した後も新幹線の架線復旧作業は夜通し行われ、24日午後1時過ぎ、事故があった現場近くでは職員2人の姿があった。
JR東日本は、一連の架線トラブルの原因について「架線を引っ張る装置が壊れ、架線が垂れ下がってしまったこと」だと発表した。
(「イット!」1月24日放送より)