「理想の髪に近づきたい…」
宮城県内の10代女性は、そう思って買ったかもしれない。
本来、美容院でしか売ることができない「コタ」社の高級シャンプー「コタ アイ ケア シャンプー」などを、インターネットで違法に販売したとして、大阪市の男が逮捕された。その売り上げは、少なくとも7000万円に上るとみられている。なぜ、男は、“荒稼ぎ”できたのか。

大阪の45歳の男→宮城県の10代女性

 医薬品・医療機器法違反の疑いで逮捕されたのは、大阪市浪速区の化粧品ネット販売会社の社長、足立佑馬容疑者(45)。

佐沼警察署に移送される足立容疑者 (2024年1月17日撮影)
佐沼警察署に移送される足立容疑者 (2024年1月17日撮影)
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 宮城県警によると、足立容疑者は、2023年2月8日から10日ごろまでの間、インターネット通販サイト「Amazon」で、コタ社製の高級シャンプーやトリートメントなど4点を、容器に印字されている製造番号を消して、宮城県内に住む10代の女性など2人に販売した疑い。

「追跡逃れ」か“あるはず”の製造番号が…ない!

 17日、宮城県警が公開した押収品。左は、足立容疑者が違法にインターネットで販売したもので、右は、正規の商品だ。違いは「製造番号」の有無

 医薬品・医療機器法では、消費者の安全を守るため、製造時期などを特定できる番号の明示を義務付けている。コタ社製のシャンプーは、一人一人の髪質にあった商品を選んでもらうため、美容院などでの「店頭販売」のみとなっている。つまり、“顔を知らない人”には売ることができないということだ。

 しかし、足立容疑者は、“顔を知らない人”に、インターネットで販売していた。足立容疑者は、コタ社から、販売をやめるよう何度も手紙で注意されていたにも関わらず、無視し続けていたという。

 足立容疑者は、電動やすりを使い、この製造番号を削り消すことで、メーカーからの追跡を逃れ、違法販売を繰り返していたとみられる。

 足立容疑者は、膨大な量の商品の一つ一つを、「包装を取り」「電動やすりで製造番号を消し」「再び、丁寧に包装し直し」販売していたという。

売り上げ“7000万円以上”か

 県警によると、足立容疑者が、2018年から2023年7月までの間に、違法販売で得ていた売り上げは、少なくとも7000万円に上るという。

 足立容疑者の関係先からは、製造番号を消した「COTA」社製のシャンプーなど、330点が見つかった。県警は、捜査に支障があるとして、足立容疑者の認否を明らかにしていないが、余罪があるとみて調べを進めている。

「いたちごっこ・・・」 年間100件以上 違法販売に怒り

 コタ社の広報担当によると、これまでコタ社は、インターネットでの違法販売の対応に苦慮してきた。同社では、インターネットでの違法販売を取り締まる担当が複数人おり、日々、通販サイトのネットパトロールを続けているが、年間100件以上の違法販売を発見しているという。その1件1件を調査し、販売をやめるよう忠告しているが、美容院で数量を購入しネットに出品する個人もいて、”いたちごっこ“の状態が続いているという。コタ社は、「この製品は、髪質にあったものを提案して、ケアするもの。非正規品を売ったり、買ったりしないでほしい」と呼びかけている。

(仙台放送)

仙台放送
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