自転車のような乗り物に2人乗りをして歩道を暴走する男性。乗っているのは、ペダルをこがずに電気の力だけで自走できるフル電動自転車「モペット」だ。

ペダルをこがず電気の力だけで自走できる「フル電動自転車」に2人乗り
ペダルをこがず電気の力だけで自走できる「フル電動自転車」に2人乗り
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ナンバー登録をせずに公道を走ることは違法となる。

自転車のように乗り回す若者が急増

街では今、違法状態の“フル電動自転車”に乗る若者が急増している。この新たな乗り物による危険な運転実態を取材した。

ペダルをこがずに時速40kmほど出ていたという
ペダルをこがずに時速40kmほど出ていたという

6月、大阪の街を疾走する2人乗りフル電動自転車。撮影者によると、ペダルをこがずに時速40kmほどのスピードが出ていたという。

フル電動自転車による信号無視などが横行
フル電動自転車による信号無視などが横行

街ではフル電動自転車による信号無視や逆走が横行していた。

フル電動自転車は原動機付き自転車、いわゆる原付バイクに分類される。

警察庁が道交法に原付バイクであることを明記へ
警察庁が道交法に原付バイクであることを明記へ

しかし、それを知らず、自転車のように乗り回す若者が急増。さらに死亡事故も起きていることから、警察庁は12月、 道路交通法に原付バイクであることを明記する方針を固めた。

東京・港区の交差点でも多くの違法フル電動自転車が
東京・港区の交差点でも多くの違法フル電動自転車が

東京・港区の交差点では、ペダルを全くこいでいないモペットやフードデリバリーの配達員の姿が見られた。

取材中にも多くの違法フル電動自転車が歩道を走行し、横断している人がいるにもかかわらず赤信号を無視して進み、人の間をすり抜けていく悪質かつ危険な運転もあった。

危険な運転をするフル電動自転車も
危険な運転をするフル電動自転車も

違法にもかかわらず、なぜ利用しているのか。乗っていた男性を直撃した。

フル電動自転車はどう乗るべき?

取材スタッフ:
すみません、フジテレビです。今、モペットを取材していまして。これそうですよね?

男性:
これ、違いますね。

ペダルをこがず、ナンバープレートをつけていない男性を直撃
ペダルをこがず、ナンバープレートをつけていない男性を直撃

取材スタッフ:
ペダルをこいでいないじゃないですか。

男性:
……。

取材スタッフ:
原付バイクと同じでナンバープレートが必要ですよ。ちょっと待ってください。ダメですよ。それ乗っちゃ!

男性は、ものすごいスピードで走って行ってしまった。

電動アシスト付き自転車と同じ感覚で乗っているとみられる利用者たちだが、本来、フル電動自転車とはどう乗るべきなのか、販売店で聞いた。

ウィンカーが前後ともに必ずついていて、免許証の所持とヘルメットの着用が必要
ウィンカーが前後ともに必ずついていて、免許証の所持とヘルメットの着用が必要

サイクルショップオギヤマ南大井店 店長・穂積利大さん:
最高スピードが時速30km以内で収まるような設計になっています。だいたい33~35万円で、ウィンカーが前後ともに必ずついている。あとはナンバープレートが必ずあるというのが、第一条件になります。原付扱いになるので、必ず免許証の所持とヘルメットの着用が必要になります。

今後、原付バイクであるという認識を広めることで、危険な運転をどこまで減らせるのかが問われる。
(「イット!」12月27日放送より)

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