農林水産省が5日に発表した2023年10月の中国向けの水産物の輸出額は、前年同月比で83.8%減り、14億円だった。
これまで中国は、水産物の最大の輸出先だったが、8月下旬から始まった福島第一原発の処理水放出に中国が反発し、日本産水産物を全面的な輸入禁止にしたことが影響している。
また中国は11月から、ニシキゴイの検疫施設の許可の更新をしておらず、事実上輸出が停止している。
宮下農水相は、5日の閣議後の会見で「いまだに中国当局により更新手続きが完了したという報告を受けていない」としたうえで、「施設の認定について早期に更新されるよう、引き続き中国当局への働きかけを行う」と述べた。
一方、水産物以外も含めた10月の農林水産物・食品の輸出の総額では、アメリカや韓国の輸出が増加したものの、前年同月比で9.5%減少し、1133億円だった。