薬物事件で廃部の方針が示されていた日本大学アメフト部を巡り、大学の理事会で部員全員を一度退部させ新たに部員を選抜する案などが検討されていることが関係者への取材でわかった。

日本大学アメフト部の薬物事件ではこれまでに部員3人が逮捕され、さらに11月、4人目が書類送検された。

日大の競技スポーツ運営委員会は、アメフト部を廃部とする方針を承認したが、今月1日に行われた理事会では複数の理事が廃部案に反対したことから決定しなかった。

関係者によると、「廃部」にせずに部員全員を一度退部させ、再び部員の選抜を行い適格となった部員だけ入部させる案や、アメフト部を予算的に優遇されている競技スポーツ部から学生部管轄の運動部に格下げする案が出されている。

仮に競技スポーツ部から格下げとなった場合、推薦入試で部員を募集できなくなる。

一方で、大学内では廃部に賛成する意見も上がっていることが、FNNの取材で分かった。

ある日大の幹部は取材に対し「2018年におきた悪質タックル問題の後に、アメフト部は生まれ変わると約束していたのに約束が守られなかった。罪のない1年生が可哀想だという意見もあるが、今年7月に20歳未満の1年生部員が集団で飲酒していた不祥事も水面化で発覚して問題となっていた。アメフト部のコンプライアンス意識は全体的に緩んでおり、一旦、伝統を断ち切る必要がある」と厳しく指摘している。

さらに、「アメフト部をめぐる問題の根は、元理事長時代から続いている『スポーツ推薦の在り方』にある」と指摘。「スポーツができさえすれば、どんな人物でも入学させてきた。これによって、日大のスポーツが強くなる代わりに、常に素行の悪い学生も入れるから、いつも時限爆弾を抱えていた。」と話し、改革の必要性を訴えている。

日本大学は、アメフト部の廃部について存続案も含め引き続き理事会で協議し、12月末までに結論を出す方針だ。

フジテレビ
フジテレビ

フジテレビ報道局が全国、世界の重要ニュースから身近な話題まで様々な情報を速報・詳報含めて発信します。

社会部
社会部

今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
事件、事故、裁判から、医療、年金、運輸・交通・国土、教育、科学、宇宙、災害・防災など、幅広い分野をフォロー。天皇陛下など皇室の動向、都政から首都圏自治体の行政も担当。社会問題、調査報道については、分野の垣根を越えて取材に取り組んでいます。