フランスや韓国を中心に、世界に広がっているトコジラミ。
東京都ペストコントロール協会によると、相談件数が16日までに285件と過去最多になるなど、日本でも急増しています。

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「めざまし8」が同行したのは、トコジラミ駆除の現場です。訪れたとある寮からは、次々とトコジラミの痕跡が見つかりました。

駆除業者:ここですね。ここに今あるのが、血糞(けっぷん)と卵。
取材スタッフ:血糞と卵?
駆除業者:これが死骸ですね、成体の。

さらに…。

駆除業者:ここはもう、完全に巣ですね。

ほんのわずかな隙間に作られた、“トコジラミの巣”。蒸気や薬剤を使って行う駆除は、奥に潜むトコジラミに届かない可能性もあり、2回行う必要があると言います。

トコジラミの駆除を依頼した寮長:
(出始めたのが)夏場でしたから、寝る時に半袖に半ズボンだから、余計刺されちゃうんですよ。それでむくむく腫れて、蚊の刺された倍ぐらいの大きさですよ。それ取れないんです。そのまま真っ赤になって、相当かゆいみたいです。つらかったと思いますよ。かゆくて夜も眠れなかったんじゃないですか。

仁川空港で行われたトコジラミ駆除
仁川空港で行われたトコジラミ駆除

韓国では、国をあげての駆除に乗り出すほど、世界的に脅威が広まっている“トコジラミ”。どのように広がってきたのか、駆除方法は?専門家に詳しく聞きました。

わずかな隙間に…殺虫剤が効かない“スーパートコジラミ”も

害虫防除技術研究所代表の白井良和氏によると、トコジラミの被害は日本でも急増しており、今後国内で拡大するのも時間の問題だといいます。

世界で拡散している背景として、コロナ禍が過ぎて人と物の移動が増え、それがトコジラミの拡散を人が手伝っているような状況になっているそうです。
近年では、殺虫剤に耐性を持った“スーパートコジラミ”も増えて、駆除に手を焼いている状態です。

害虫防除技術研究所代表 白井良和氏
害虫防除技術研究所代表 白井良和氏

――具体的にどのようなルートで日本に入ってきているのでしょうか?
白井良和氏:

やはり多くの場合は荷物ですね。スーツケースの中に紛れ込んだりとか、手荷物の中に入って家に帰ってそれを開けたときに、そこからトコジラミがはいだして広まっていくと。

ほんのわずかな隙間にも巣をつくるトコジラミ。めざまし8が同行した駆除の現場では、床やベッドの隙間、カレンダーの折り目部分にまでトコジラミが潜んでいました。
さらに、カーテンの折り目・縫い目、本やタンスの中など、様々な場所に隠れているといいます。

黒いシミのような「血糞(けっぷん)」が見つかったら、トコジラミが生息しているサイン。1匹いると最大で500匹程度まで増え、卵からかえって40日で産卵できるようになります。

トコジラミの駆除方法は?

トコジラミを駆除する場合、掃除機で吸引し、ゴミは密封してすぐ捨てることが大切です。また、洗い流す事もできるので、洗えるものは洗濯に。熱に弱いため、スチームや熱風乾燥機なども有効です。

ただし、見つけた際にとっさにたたきつぶすなどはしてはいけません。トコジラミはカメムシの仲間なので、つぶすと強い臭いを発します。

――業者に頼まなくても自分で駆除できる?
白井良和氏:

隙間とかに入り込んでしまって目に見えない幼虫とかもいますから、ある程度はご家庭で駆除してもらって、駆除しきれないものはやはり業者さんにお願いするのが良いと思います。
――市販のダニとりマットなどは効果があるのでしょうか?
いや、ダニとかとかなり性質が違うので、人の血を吸うために布団などの近くにいますので、ちょっと違う方法で対策することが大切です。殺虫剤などは効くとは思うのですが、抵抗性になっているものには効かないので。

海外旅行で気をつけること

9月にフランスを訪れていた、めざまし8コメンテーターの古市憲寿氏は、そのときのことをこう話します。

古市憲寿氏:
パリにちょうど、9月の終わりニュースになったタイミングで。
ファッションウィークがあったんですけども、めちゃくちゃインスタグラマーたちがトコジラミをみつけたと投稿していて。でも、調べたらパリは昔から結構いるみたいで、フランスの家の10軒に1軒が過去何年かの間にトコジラミの被害に遭っているという統計があるくらい。だから実はありふれたものらしいんですけど、でも気になっちゃって、ホテル行くにもどこに行くにも怖いから、気が気じゃないですよね。

これから海外旅行に行く予定がある方は、以下の点に注意が必要です。

・荷物は袋に包む
・できるだけベッドから離れた所で荷物を開く
・部屋を暗くする時は、玄関近くに袋に入れた状態で置く
・帰国したら、トコジラミがいたらすぐ洗い流せるよう、荷物は浴室で開ける
・洗えるものは水で洗い流す
・服など洗濯できるものはすぐ洗濯

また、海外から届いた荷物の段ボールや包装しに付着しているケースもあるため、海外からの荷物を開封した場合は、トコジラミがいないかチェックし、段ボールや包装しはすぐに捨ててください。

トコジラミの痕跡
トコジラミの痕跡

――日本での拡大を防ぐことはできるのでしょうか?
白井良和氏:

人の移動や荷物の移動がある限り、入ってくることは仕方のないことだと思うので、それぞれの方が対策をして、気をつけていかなくてはいけないということですね。
人や動物の血を吸うので、不衛生だとか衛生は関係ないと。
(めざまし8 11月30日放送)