国会は衆議院予算委員会で22日、立憲民主党の野田元首相が、岸田首相に対し自民党派閥の政治団体が政治資金収支報告書に、合わせて約4000万円の収支未記載があったことを追及した。

野田元首相は、自民党の現状について「一強の奢りと歪みがでている」と指摘した上で、岸田首相に対し「政治と金の不祥事が多発してきたことに危機感を持つべきだ」「岸田首相からは危機感が感じられない」と追及した。

さらに「岸田総理は適切に対応するという言葉を使うが『各政治団体に任せる』と、適切な対応との内容は、ミスをしたら修正すればいい、うっかりミスが続いているかのような言い方だ」と「政治とカネ」の問題に対する岸田首相の対応に問題があると指摘し、「政治に対する信頼を取り戻すためにリーダーシップを奮ってドブさらいをしなければいけない」として自民党総裁として責任ある姿勢を求めた。

岸田首相は、これに先立ち、予算委員会冒頭で「具体的な訂正内容について各政治団体において適切に説明を、できるだけ速やかに行うよう幹事長を通じて指示した」と発言して、幹事長を通じて、自民党に対し初めて具体的な説明を行うように指示した。

岸田首相は、野田氏への質問に対しては「重大な危機感を持たなければならないというのは仰るとおりだ」と指摘を受け入れた。さらに「党の総裁として幹事長に指示を出し、説明責任、適切な説明がおこなわれることを徹底したい」と重ねて強調した。

ただし、収支報告書への未記載があった派閥の政治団体について「政府とも自民党とも別の政治団体だ」と述べた際には、野党から「おかしい、派閥は自民党とは違うのか?理解されない」と指摘する声が委員会室の野党委員から上がった。

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