来年のアメリカ大統領選挙に向け、野党・共和党候補者による初のテレビ討論会が23日ウィスコンシン州で開催され、ウクライナ支援などをめぐり舌戦を繰り広げた。

討論会はFOXニュースが主催したもので、ペンス前副大統領や、フロリダ州のデサンティス知事など主要候補の8人が出席した。
ただ、世論調査で共和党員の支持を最も集めているトランプ前大統領はすでに十分な知名度があるなどとして欠席した。

討論会では、バイデン政権のウクライナ支援をめぐり、デサンティス氏が「ヨーロッパがよりウクライナ支援を負担すべきだ。私たちの支援はそれを条件にすべきだ」と、条件付きでの支援を主張した。。
これに対して、ヘイリー元国連大使は「ウクライナは我々の防衛の最前線だ。プーチンの次の狙いはポーランドやバルト海だ。それは世界大戦になる」と支援の廃止・縮小に反対し、舌戦を繰り広げた。

また、欠席したトランプ氏については、ハッチンソン前アーカンソー州知事は「重罪で有罪とされている人物を支持するつもりはない」と厳しく批判し、クリスティー前ニュージャージー州知事も、「大統領の職責にふさわしくない」との声を挙げた。
一方、38歳の実業家で、トランプ氏の支持を鮮明に打ち出し、過激な発言で人気が急上昇しているラマスワミ氏は「トランプ氏は21世紀最高の大統領だ」と絶賛した。

ただ、トランプ氏は共和党内に強い支持基盤を持つだけに、デサンティス氏など多くの候補が、「司法省の武器化を終わらせる」などと、捜査当局を批判してトランプ氏の評価に踏み込まず、正面からの議論を避けた。

こうした中、トランプ氏は討論会と同時間帯にインタビュー映像をSNSで公開した。
トランプ氏は、「討論会で1時間も2時間も、大統領選に出馬すべきではない人たちから嫌がらせを受けろというのか」と欠席の理由を説明した。
また、トランプ氏は敗北した結果を覆そうとした罪で起訴されている2020年の大統領選について「選挙は不正だった」と繰り返し主張もした。

トランプ氏は日本時間の25日、4度目の起訴を受けてジョージア州の拘置所に出頭する見通しとなっている。

国際取材部
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