歌舞伎役者の市川猿之助さんへの警視庁による事情聴取。なぜこのタイミングで行われ、何を聞かれたのか。

発生から6日 多くの謎残る

自宅で両親とともに倒れているのが見つかった、歌舞伎役者の市川猿之助さん(47)。
5月24日、警視庁から事情聴取を受けていることがわかった。

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発生から6日がたつ今も残る、多くの謎。

猿之助さんは、5月18日、東京・目黒区にある自宅に迎えに来た女性マネージャーに、意識が朦朧とした状態で発見され、救急搬送された。

父親の段四郎さんと母親は、2階のリビングの床に布団がかかった状態で仰向けに倒れていて、その後、死亡が確認された。死因は、向精神薬による中毒死とみられている。

部屋で倒れていた猿之助さんの周囲からは、手書きとみられる遺書のような書き置きが複数見つかっている。

猿之助さんはこれまでに、「死んで生まれ変わろうと家族で話し合った」という趣旨の説明をしていて、警視庁は家族で心中を図った可能性もあるとみて調べを進めていた。

しかし、2日間行われた家宅捜索では、薬物を包装するものや服用に使ったものは見つからないなど、依然として両親が死亡した経緯などは詳しくわかっていない。

猿之助さんは、救急搬送された翌日に病院を退院し、別の病院に転院していたとみられる。

回復を待って事情聴取

捜査関係者によると、猿之助さんが5月24日、都内の警察関連施設で事情聴取を受けていることがわかった。

なぜ5月24日に事情聴取となったのか。

フジテレビの平松秀敏解説委員は、「警察は猿之助さんの容体の回復を待ちタイミングを計っていた」と指摘する。

平松秀敏解説委員:
2人が亡くなるという本当に重大な事案なんですね。なので一刻も早く関係者から事情を聴きたい。それも警視庁は本当に思ってたと思う。このタイミングになって、事情聴取に耐えられるだけの容体が回復した。

また今回、「警察関連施設」で聴取が行われたこともポイントだと話す。

平松秀敏解説委員:
1度自殺未遂を起こしている可能性がある猿之助さんですから、再び不慮の事態に陥る可能性もあって、それを防ぐために考慮して警察関連施設を事情聴取の場所として選んだ。

両親が死亡し、真相を知る唯一の人物である猿之助さん。警察は、どのような説明を求めているのか。

平松秀敏解説委員:
今回の猿之助さんの主張だとか言い分だとか、説明が合理的なのか矛盾がないのか、なにより自殺の原因である向精神薬だとか、そういうものの入手方法とか、どれぐらい把握しているのかが事情聴取のポイントになると思います。

罪に問われる可能性はゼロではない

こうした中、猿之助さんの所属事務所は5月23日、一部メディアが伝えたハラスメント報道について初めてコメントを発表した。

市川猿之助さんの所属事務所:
一部報道にありましたハラスメントに関しましては、今まで猿之助に関わった複数のマネージャーに聞き取りをしましたところ、弊社管轄の現場において、そのような事実は現在出てきておりません。

さらに当日、倒れている猿之助さんら家族3人を発見した女性マネージャーの動きについては、こう説明した。

市川猿之助さんの所属事務所:
週刊誌の発売に合わせてマスコミ・報道関係者が自宅に訪れることが予想され、近隣住民皆様のご迷惑にならないよう、自宅~明治座間での移動に同行する予定でおりました。

倒れている猿之助さんを発見したのは、事務所にとっても想定外の事態だったことが伺える。

では今後、猿之助さんが何らかの罪に問われることはあるのだろうか。

平松秀敏解説委員:
可能性はゼロではないと思いますけど、自殺ほう助というのは自殺行為に対してかなり積極的に関わって協力しないと問えないので、今回猿之助さん自らが自殺を図っているわけですから、なんとも言えないところですね。

警視庁は、当時の状況について詳しく調べる方針で、猿之助さんがどのような説明をしたのか注目が集まる。

(「イット!」5月24日放送より)