東京都で4月1日から「自転車保険が義務化」

新年度も始まり、通勤や通学で自転車を利用する人もいると思うが、4月1日から、東京都でも自転車保険の加入が条例で義務付けられた。

義務化の対象は「自転車の損害賠償保険」。自転車を利用しているときに事故を起こして、相手にけがをさせた場合などの損害を補償する保険だ。

大人、子どもを問わず、都内で自転車を利用する人が対象となる。なお、未成年の子供が自転車を利用する場合は、保護者が加入しなければならない。

都内ではシェアサイクルを利用する姿がよく見られるようになったが、自転車を業務で使用する事業者や自転車貸付業者(レンタルサイクル業者など)も保険に加入する必要がある。

確かに近年は自転車事故の多発や、自転車事故による高額な賠償金の判決事例は後を絶たない。
(関連記事:9000万円超の賠償金も…広がる「自転車保険」の加入義務化

こうした背景もあり、2015年10月には兵庫県、2016年には大阪府や滋賀県、2017年10月には鹿児島県と名古屋市、2018年には埼玉県や金沢市で、自転車保険の加入を義務付ける条例が施行された。

このように、全国的に広がる自転車保険の加入義務化の流れが東京にも及んだわけだが、なぜこのタイミングで加入を義務化したのだろうか?

そして加入しなかった場合、罰則はあるのか? 加入する際の注意点は何だろうか?

「自転車保険の義務化」に関して“気になること”を、東京都交通安全課の担当者に聞いた。
 

都内の自転車に関わる事故は、ここ3年増加

――なぜ、義務化する?

全国的に自転車事故の加害者に、高額(9500万円以上)な賠償金が命じられる裁判の判決が、目立つようになってきています。

また、都内の自転車に関わる事故は、ここ3年、前年比で増加に転じています。それまでは、13年連続で減少していました。

さらに、昨年2月に、国から義務化のモデル条例が、地方自治法に基づく技術的助言として、都道府県、政令市に示されました。

こうした背景のもと、東京都は、昨年5月に大学教授や弁護士、保険関係団体、自転車利用者代表などからなる専門家会議を設置し、その意見を踏まえて、昨年9月に条例を改正。保険の加入が義務化されることになりました。


――義務化は東京都以外の自治体ではどう?

すでに13都府県、7政令市で義務化の条例が作られています。

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加入しなくても罰則はない

――加入しなかった場合、罰則はある?

罰則はありません。

自転車には、車のような車検制度、ナンバー登録制度がなく、利用者と保険加入者を紐付けできず、公平な罰則の適用が難しい。このため、車の自賠責保険法のような立法ができず、義務化した条例はすべて罰則がないのが現状です。

――保険料はいくらぐらい?

年額で「1200円程度」から「5000円程度」まで、給付内容によって保険料が異なります。

たとえば、1200円のものでも、1億円の給付金が出ます。金額が上がると、「3億円の給付金に示談交渉付き」などとなります。
 

個人賠償特約でカバーしているか確認が必要

――保険に加入する際、注意すべきことは?

自動車保険や火災保険、傷害保険やクレジットカードの保険などに入っている場合は、個人賠償特約で、自転車事故をカバーしているケースがありますので、まずはそちらの確認をお願いします。

自転車保険は、コンビニエンスストアでも加入できますし、保険会社のホームページから加入できるものもあります。

また、交通安全協会やPTA、共済組合といった団体も、団体保険を持っていることが多いので、こうしたところからも加入ができます。
 

(画像はイメージ)

東京都で4月1日から加入が義務化される「自転車保険」。事故の加害者になったら、およそ1億円の賠償金を請求される可能性もある。罰則がないとしても、“もしも”に備えて加入すべきなのだろう。

 

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