数多くのベストセラーを生み出した作家の村上龍さんが、10月17日に亡くなったことが23日、幻冬舎の公式サイトで発表されました。74歳でした。
アメリカ軍基地のある長崎・佐世保市に生まれた村上さんは、大学在学中に執筆した小説「限りなく透明に近いブルー」で1976年に作家デビューしました。
この作品では、アメリカ軍の基地がある東京・福生市を舞台に、青年たちの無機質で退廃的な日常を描き、約350万部を売り上げるベストセラーとなりました。
「限りなく透明に近いブルー」は当時の文学界に衝撃を与え、第75回芥川賞を受賞。
村上さんは一躍注目の作家となりました。
村上龍さん(2016年):
表現するときって、すごくエモーショナルなものが中にあるけど、それを抽象化するじゃないですか。抽象化して細分化っていうよりも、微分化みたいな感じで細かくして、それをもう一回再構築して、客観的なものになっていく。
村上さんはデビュー以降、戦争や性など現代社会を映し出す作品を次々と発表。
1980年には、実際に起きた乳児のコインロッカー置き去り事件を題材にした「コインロッカー・ベイビーズ」、そして1996年には、女子高校生の援助交際を題材にした「ラブ&ポップ」を発表しました。
村上龍さん(1996年):
女子高校生が援助交際すると「何でですかね?」って言うんですよみんな、「どうしちゃったんでしょう」みたいに。でも厚生官僚が汚職しても誰も「なんでですかね?」って言わない、「困ったもんですね」とは言うけど。日本人全体がお金が好きなわけじゃないですか、そういう日本の社会を彼女たちは忠実にマネしているだけ。
2003年にはさまざまな仕事を独自の視点で紹介する異色の職業図鑑「13歳のハローワーク」を出版。
幅広い層からの支持を集め、180万部を超えるベストセラーとなりました。
村上龍さん(2004年):
他の人から「お前これやれ」「あれをやりなさい」とか、やってもなかなか達成感・充実感は持ちにくい。人生の成功者って言われている人は、自分で自分の目標を決められる人、自分で目標を設定できる人だと思う。
さらに、作家以外にも経済トーク番組「カンブリア宮殿」で20年間にわたって司会を務めるなど、精力的に活動した村上さん。
村上さんの事務所は「早すぎる逝去の報せを受け深い悲しみに堪えません。時代のトップランナーとして疾走した同氏の安らかな眠りをお祈り申し上げます」などと追悼しました。
葬儀は家族葬で執り行われたということです。
