旧・北海道函館東高等学校で1960年から1989年まで美術教師を務めた故・梅谷利治さんが授業に取り入れていた創作凧を揚げる会が10月3日、かつての学び舎である市立函館高等学校のグラウンドで開かれた。
2012年、同窓会の会場に梅谷さんから贈られた凧が飾られたことをきっかけに、当時の教え子や美術部員を中心とする卒業生有志が集まった。以来、梅谷さんの凧を受け継いで揚げる活動を続け、東京で毎年のように凧揚げ会を開いてきた。
ワークショップでは、参加者が梅谷さんの設計した凧を制作。2024年には「ひんがしProject」としてモンゴルを訪れ、現地の子どもたちと凧を揚げた。活動当初から続けている凧揚げ会「東京の空に凧を揚げる」は、2026年4月にも東京・葛西臨海公園で開かれ、活動は卒業生の枠を越え、世代や地域へと広がっている。

梅谷さんが残した「凧を揚げ、顔をあげて空を見る」という言葉は、会の原点であり、活動の軸になっている。当日は、東京から参加した20人を含む約60人が集まり、梅谷さんの凧を母校の空に揚げた。
関東青雲同窓会会長の横井透さんは「このグラウンドで授業をしていました。ちっちゃな凧を教材として使って作り、揚げていたので、このグラウンドはすごく思い出深いですよね」と振り返った。

主催する宇野玲子さんは、空に揚がる凧を見て「卒業してから40年くらい経っていますので、本当に感慨深いですね」と話した。宇野さんと共に企画を立ち上げた脇田美幸さんは、「梅谷先生が、『凧を揚げると空を向く。下を向いちゃってる子供に顔を上げてもらいたい』とおっしゃっていたので、それをつなげていければいいなと思います」と語った。母校の空に揚がった凧を、参加者たちは思い思いに見上げていた。


