10月1日に各地で内定式が行われた。現在は売り手市場が続く一方、学生が保有する内々定の数は減少傾向にあり、就職先を早い段階で絞り込む動きが広がっているという。
就職活動は、企業が内定者の囲い込みを行ったバブル期から就職氷河期を経て、大きく変化してきた。将来的には、AIの普及による就職氷河期が訪れる可能性も指摘されている。
売り手市場続く就職戦線
10月1日は、就職活動の節目の日。
来年春入社予定の学生たちの内定式が行われた。

損害保険大手、損保ジャパンの内定式には、450人が参加した。
内定者:
内定式開いていただき、社会人になる実感が湧いて、すごく身が引き締まる思いになりました。

一方、家電量販大手のノジマでも、およそ900人が参加。
そんな中、これまで複数の内定を持つことが当たり前だった就職活動に、異変が起きている。

遠藤玲子キャスター:
私は就職氷河期の最後の世代ぐらいですが、8月末時点ではまだリクルートスーツ着ている人だらけでした。
「観光バスで箱根研修」バブル期の就活
安宅晃樹キャスター:
就職活動事情はいろいろな世の中の影響を受けますが、1980年代のバブル期は学生側の超売り手市場で、学生の青田買いも至るところで起きていたといいます。
1984年の内定者の様子が残っている映像を見つけました。

オフィスビルから出てきたのは、大きな旅行カバンを持った私服姿の内定者たち。

研修が行われるということだが、乗り込んだのは観光バスだった。

記者:
目的地はどちらですか?
内定者:
箱根の方じゃないですか。
内定辞退を防ごうと、企業が内定者を箱根に連れて行くなど、学生の囲い込みを繰り広げていたのがこの時代だ。

安宅晃樹キャスター:
学生超売り手市場のバブル期ですが、バブル崩壊とともに大きく変わってきます。
続いて1990年代に入ると、長い就職氷河期へと突入します。学生にとっては内定取り消しなど、本当に辛い時期が続きました。
その後、2010年代の後半に入ってきますと、再び就活世代の人口減少もあって、売り手市場になっていったという変遷です。

榎並大二郎キャスター:
私は2008年入社なので、確かに氷河期ではなかったんですが、その後リーマンショックでまた浮き沈みがあったり、本当に時代背景に左右されますね。
街で就職活動の思い出を聞いてみると―。
50代女性:
私はバブル世代で、就職活動で悩んでないです。一切悩まずに入れた。職種は受付です。
(Q.内定式は?)グリーンの、すごい肩パッド入ったような、バブル時代に流行ったスーツみたいなのを着ていったけれど、別にだれも何も言わない。すごく華やかでした。
40代男性:
内定は、ご縁あって2社いただきました。内定式は東京でありました。新入社員が一堂に会して、全国から集まってやったので、「こういうメンバーが同期なんだ」っていうのは印象深く残っています。
40代男性:
内定は1社。10社20社くらいは受けたんじゃないかと思います。1社いただいて、そこにご縁を感じたので、そこで就活をやめたって感じです。
この男性は、最終面接で大学選びの理由を聞かれたという。
40代男性:
「やまとなでしこ」というドラマが大好きで、数学者になろうと。学習院大学の飯高茂先生という数学者がすごく有名だったので、そこに行きました。
(Q.社長の反応は?)それで内定をいただけました。
内々定は減少傾向 AIで氷河期再来?
安宅晃樹キャスター:
バブル期と氷河期では本当に違いがありますが、近年、就職戦線にある変化が起きているということです。
学生が保有する内々定の数が、ここ2年、急速に減少しているという傾向があるといいます。
山﨑夕貴キャスター:
でも、売り手市場って言ってましたよね。なんでですか?

安宅晃樹キャスター:
マイナビによりますと、学生が自身の考え方や希望をある程度、明確にした上で就職活動を進めている。つまり“無駄なく”受けている、そのような理由だということですが、石渡さんはどうですか?そうした傾向を感じましたか?

石渡花菜キャスター:
思い返してみると、大学2年生の時からどんな業種が気になっているかとかを話したり、あとは長期インターンで、自分が希望している業種に似た仕事ができることを1年生からやってる子もいたなと思います。
安宅晃樹キャスター:
なるほど。そのあたりもコスパ良く、効率良く内定を取るというのが時代の流れかもしれませんが、企業側も優秀な人材を獲得するために、色々行っています。
昨日内定式を行った損保ジャパンでは、本人が望まない転勤を廃止するというような施策を行ったり、ノジマでは、1年以上のアルバイト経験があって卓越した成果と提案力を持つ学生は、初任給が47万7000円です。

榎並大二郎キャスター:
すごい時代ですね。それだけ実績が評価されるというか、会ってみたいですね、どんな人材なのか。

安宅晃樹キャスター:
時代ごとに変化している就職戦線ですが、今後さらに大きな転換期を迎える可能性があるというんです。それが「AIによる就職氷河期」です。
智田裕一解説副委員長によりますと、新入社員を育てるよりもAIを導入する企業が増える可能性があると。実際にアメリカでは、AIの台頭によって就職難が進んでいるという指摘もあるそうです。
山﨑夕貴キャスター:
やっぱり、大半の仕事がAIに奪われるんじゃないかという恐怖心はありますよね。アナウンサーも“噛まない”AIが生まれると、ちょっと奪われる、なんか恐怖心ありますもんね。

安宅晃樹キャスター:
ご安心ください。そんな中でも今後ニーズがあるのは、やはり「即戦力になる人」、さらには「高いコミュニケーション能力がある人」ということで、きっと山﨑さんは大丈夫かな、と思います。「きょうの知っトク」でした。
(「イット!」10月2日放送より)

