能登半島地震で被災した黒部峡谷鉄道。
19日、トロッコ電車が今シーズンの営業を始めました。
地震の影響で全線開通は10月まで遅れる見通しですが、部分運行開始の19日も大勢の観光客で賑わいました。

出発前に開かれた式典には、宇奈月温泉の関係者などが出席し開通を祝いました。

*リポート
「天気は曇りで肌寒さを感じますが、このように宇奈月湖の絶景を楽しめます」

19日開通したのは全長およそ20キロのうち、宇奈月駅と笹平駅の間およそ7キロの区間です。

*アナウンス
「終点、笹平です」

*群馬からの観光客
「青い川と赤い橋ですごくきれいな景色だった。スリルがあって、アトラクションみたいで楽しかった」

*イスラエルからの観光客
「とても美しい国です。ここの人も食べ物も全部すばらしい。日本大好き」

来週には運行区間がおよそ4.8キロ先の猫又まで延長されますが、能登半島地震の影響でその先への運行は遅れる状況となっています。

宇奈月駅から14キロ上流に位置する鐘釣橋の線路は地震による落石で損傷したままとなっていて、1週間ほど前から関西電力が斜面の落石対策工事を行っています。

この工事が7月中旬までかかり、その後黒部峡谷鉄道が線路の復旧工事を9月いっぱいまで行う予定です。
この影響で例年5月上旬の欅平までの全線開通は10月1日ごろになる見込みです。

全線開通延期に伴い、県は今年の観光の目玉「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放を、予定していた6月30日から10月1日ごろまで延期します。
延期により、最大8140人を予定していた受け入れ客数は3000人ほどにとどまり、影響額は6億円にのぼると見られます。

*ホテル黒部 中島ルミ子女将
「それ(全線開通延期)については残念だが、旅館とトロッコ電車が一緒になって心を込めておもてなしをしたい」

*黒部峡谷鉄道 営業企画・広報グループ 谷本悟チーフマネージャー
「今回の全線開通延期については仕方のないこと。途中までの折り返し運転になるが、それでも黒部峡谷の美しい景色は十分楽しめる。ぜひ黒部峡谷、宇奈月温泉に来てほしい」

黒部峡谷鉄道によりますとゴールデンウィーク期間中の予約状況は1万3500人と去年とほぼ変わらず、今シーズンの乗降者数は去年以上の55万人を目指したいとしています。

富山テレビ
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