宮城県石巻市の公共工事をめぐる官製談合事件で、逮捕された市の職員などの身柄が、4月11日検察に送られました。石巻市は建設業者に情報が漏れたとされる工事の設計書について、「厳密に封印していた」と説明しています。

石巻市下水道建設課の技術課長補佐・星洋一容疑者と、同じ課に勤める技術主幹・寺内友和容疑者。そして、「遠藤興業」の専務執行役員、遠藤光弥容疑者の身柄は、4月11日にそれぞれ、仙台地方検察庁に送られました。

星容疑者と寺内容疑者は、去年2月、市が発注する下水道工事の設計書を入札前に遠藤容疑者に手渡したとして、官製談合防止法違反などの疑いが持たれています。入札には8つの業者が参加し、遠藤興業は最低制限価格のおよそ4345万円にもっとも近い、4370万円で工事を落札していました。

石巻市 斎藤正美市長
「誠に申し訳ございませんでした」

職員の逮捕を受けて、石巻市は11日朝、会見を開き謝罪。また、午後には職員を集めて、規律の遵守を呼びかけました。

石巻市 斎藤正美市長
「全庁が一丸となって公平・公正な業務の遂行に全力を上げて取り組むよう訓示いたします」

設計書には最低制限価格を算定する情報が記されていて、星容疑者と寺内容疑者は決済前に確認できる立場にあったということです。市は決済後の設計書を「厳重に封印していた」としています。

石巻市 総務部長
「設計書は誰でも見られる状況ではなく、管財課に引き継がれたあとは、管財課長が鍵のかかるロッカーで入札当日まで保管する」

警察は、設計書の「写し」が遠藤容疑者に渡ったとみて調べています。3人の認否については明らかにしていません。

仙台放送
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