個人情報が掲載された警察の内部資料を、第三者に漏えいした疑いで4月8日逮捕された鹿屋市の49歳の現職警察官の身柄が9日、鹿児島地検に送られました。県警の情報漏えいを巡っては、100件以上の事件資料が流出したおそれが指摘されています。

地方公務員法違反の疑いで送検されたのは、曽於警察署地域課の巡査長・藤井光樹容疑者(49)です。

警察によりますと、藤井容疑者は、鹿児島県警本部の公安課に勤務していた2023年6月、自身のスマートフォンで個人の犯罪経歴の情報を第三者に送ったり、2024年3月、被害者の実名や捜査状況などが書かれた捜査資料数十枚を同じ第三者に郵送したりしたた疑いがもたれています。

藤井容疑者は警察の調べに対し、「間違いない。県民と警察に迷惑をかけ申し訳ない」と話し、容疑を認めているということです。

県警の情報漏えいを巡っては、ウェブメディアで100件以上の県警の捜査資料や300人以上の個人情報が流出したおそれが指摘されていて、県警は藤井容疑者との関連について調べています。

現職警察官の逮捕を受け鹿児島県警は8日、「警察の中の警察」といわれる部署のトップが会見を開き、事件の説明を行いました。

鹿児島県警・牛垣誠首席監察官
「職員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、改めて深くおわび申し上げます。申し訳ございませんでした。」

8日午後6時半、鹿児島県警本部で、警察官の不祥事や服務規程違反の捜査を行ういわゆる「警察の中の警察」といわれる「監察官」の責任者が謝罪。事件の説明を行いました。

会見では以下の事実が明らかになりました。

今回、外部に郵送された捜査状況の一覧表は数十枚で、それがウェブメディアに掲載されているものと同一かは捜査中としました。

藤井容疑者は個人所有するスマートフォンを犯行に使っていました。

一方、犯罪経歴情報を送信したメッセージに関しては、画像やPDFファイルの種類や使用したアプリについて「捜査に支障がある」として詳細を明らかにしていません。

藤井容疑者の犯行に関わった「第三者」についてです。

県警は藤井容疑者が個人の犯罪経歴の情報を送信したのも、捜査状況の一覧表を郵送したのも、ともに「同じ第三者」だと明らかにしました。

一方、その「第三者」と藤井容疑者との関係やどういった人物であるかは特定できておらず、法人や団体である可能性も含め捜査しています。

藤井容疑者と第三者との間での金銭のやりとりは確認できていないとしました。

個人の犯罪経歴や事件経過の一覧表はどういった職務の担当が扱えるのか。

県警は業務上の必要性がある職員は扱えるとしていて、藤井容疑者は当時県警本部の公安課に勤務していて、一覧表へのアクセス権を持っていました。

県警は犯罪経歴を送信された人や事件経過の一覧表に記載がある人については確認がとれ次第、通知や謝罪を行う方針です。

鹿児島テレビ
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