山形・鶴岡市の加茂水族館のアシカ「なでしこ」が、千葉の水族館に引っ越すことになり、3月12日、移動作業が行われた。14年間、ずっと世話をしてきた加茂水族館の職員も、「なでしこ」との別れを惜しんだ。

お引っ越しするアシカの「なでしこ」

鶴岡市の加茂水族館には、現在、カリフォルニアアシカが7頭いる。このうち、3月12日に引っ越ししたのは、メスの「なでしこ」(15)。

名前の由来は「なでしこジャパン」
名前の由来は「なでしこジャパン」
この記事の画像(15枚)

好奇心旺盛な「なでしこ」は、生まれて間もない2010年3月に、静岡の水族館から引っ越してきた。「なでしこ」という名前は、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が、2011年の女子ワールドカップで初優勝し、世界の頂点に立ったことを記念してつけられたもので、当時、千数百通あった応募の中から選ばれた。

「なでしこ」が加茂水族館にやって来た14年前から、ずっと付き合ってきた飼育係の香焼(こうたく)さんに思い出を聞いてみた。

加茂水族館・香焼慶子さん:
旧館時代に青いなでしこジャパンのベストを着て芸を披露していた姿とか、積極性があるアシカなので、いろいろ教えてもらうことが多かった

新技習得に励む12年前の「なでしこ」 

今から12年前の2012年。「なでしこ」は3歳、まだ子どものころの映像では、ロンドンオリンピックで「なでしこジャパン」が優勝できるようにと、新たな応援の技の習得に励んでいる姿が映っていた。

ユニフォームを着て「なでしこジャパン」を応援!
ユニフォームを着て「なでしこジャパン」を応援!

新しい技は、日本代表のユニフォームを着た「なでしこ」が、サッカーボールを顔の上に乗せながら逆立ちするという難しいもの。技の途中にユニフォームがとれてしまうのは、ご愛嬌。「なでしこ」はその見事な芸とかわいさで、たくさんの来館者に親しまれる人気者だった。

そんな「なでしこ」は、千葉・鴨川シーワールドへ、今後の繁殖のために引っ越しをすることになった。

「なでしこ」新天地へ 別れを惜しむ

「なでしこ」が運搬用の小さなケージに入った状態で出てきた。これまで小さな箱に入る練習はしてこなかったというが、意外と落ち着いてるように見えた。

運搬用のケージで鴨川シーワールドへ
運搬用のケージで鴨川シーワールドへ

14年間、ずっと世話をしてきた加茂水族館の職員の皆さんも、「なでしこ」との別れを惜しむ。

鴨川シーワールド・加納幸司さん:
なるべく落ち着かせるように、刺激しないようにしながら鴨川シーワールドまで輸送したい。当館で繁殖して子どもを生んでくれることを期待しています

鴨川シーワールドがある千葉・鴨川市までは、なでしこに負担がかからないよう休憩をはさみながら、約12時間をかけて移動する。まだ日程は決まっていないが、なでしこが新しい環境に慣れたあとで展示される予定。

加茂水族館・香焼さん:
予定を立ててなでしこに会いに行こうと思っています。(Q:仕事で?)プライベートで(笑)。すごくかわいらしい子で、みんなに愛されたアシカだったので、同じように鴨川シーワールドに行ってもたくさんのお客さんに愛されてほしい

「なでしこ」は、香焼さんたちに見送られながら、新たな一歩を踏み出した。

(さくらんぼテレビ)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(15枚)
さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。