うるま市石川のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を整備する計画が大きな政治問題となっています。

土曜日に沖縄を訪れた木原防衛大臣が土地の利用方法の再検討を表明し、自衛隊を容認する立場の玉城知事は白紙撤回を求めました。

17日、就任後初めて沖縄本島を訪れた木原防衛大臣は基地がある市町村の首長と意見交換し、県庁では玉城知事と会談しました。

玉城知事
「うるま市における陸上自衛隊の新たな訓練場の整備については、住宅地に隣接していること。さらには県立の社会教育施設にも本島に近接している事もありまして、地元のみなさまが反対を訴えてることは至極当然だと受け止めております」

防衛省はうるま市石川にあるゴルフ場の跡地に陸上自衛隊の訓練場の建設を計画しています。

住宅地や教育施設に近いことから地元では生活環境が脅かされると懸念が高まり、うるま市・石川にある15の自治会でつくる自治会長会が反対を表明。

石川地区選出の市議会議員も国に計画を見直すよう迫るなど日に日に反発が強まり大きな政治問題に発展しつつあります。

こうした中、木原大臣は急遽、玉城知事との会談前に会見の場を設けました。

木原防衛相
「地元の声を真摯に受け止めてよく検討していただきたい旨のご指摘を頂いたところです。さらなる検討を行う事としまして、私からさきほど事務方に対して指示を出した」

唐突とも言える”再検討”の表明は自民党県連からの強い要請を受けたものでした。

自民党関係者
「訓練場の整備は理解する立場だが地元の反発が想像以上だった。強引に進めては出来ない」
「大臣の発言は私たちの声に耳を傾けてくれたということ」

強行的に進めればさらに反発が強まるのは必至で、背景には今年6月に控えた県議選への影響をかわす思惑も透けて見えます。

県幹部
「知事との面談では訓練場について厳しい事を言われると見越してあえて面談前に発言したんだろう。ただ『取得後の在り方についてさらに検討』と言っているように、計画自体は進めるという意思の表れでもある」

自衛隊を認める立場の玉城知事は訓練場についてこれまで賛否を示していませんでしたが、会談では「賛成しかねる」と述べ白紙撤回を要求しました。

玉城知事
「(大臣の発言は)取得と整備ありきという事の従来の検討の域をはみ出ない。これだけ住民や教育関係者から強い反対の声があるという事は一度白紙に戻して検討していただきたい」

先島諸島に加え本島でも加速度的に進められる軍備の増強に高まる懸念や不安。こうした声にどう向き合うのか、政府の姿勢が問われます。

沖縄テレビ
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