みなさんエシカルという言葉をきいたことがありますか？「倫理的・道徳的」という意味ですよね。ＳＤＧｓの関連用語として目にすることも多い気がします。エシカルは人間や地球環境、地域社会に配慮した思考や行動を指し、これが観光産業にも広がっています。沖縄の環境や文化を観光客にも大切にしてほしいと県内ではエシカルトラベルを推し進める動きが加速しています。
今沖縄で新しい旅の形が提案されています。「参加する前はエシカルだったらちゃんとしないといけないなという気持ちで参加していたんですけど実際やってみると楽しかった。」「生産者さんの顔が見れるコーヒーを買おうかなという気持ちになったのでこのツアーを通して得たものは大きいかなと思っています。」
新型コロナウイルスの影響も弱まり今後さらに観光客の増加が見込まれる沖縄。経済効果が期待される一方、自然や地域住民に悪影響が及ばないか懸念される声があがっています。
そんな中、近年「エシカルな旅」が沖縄に浸透し始めています。エシカルとは日本で倫理的な道徳的なという意味。沖縄観光コンベンションビューローの黒島さんはエシカルな旅を通して旅先の文化・自然・産業・課題をより深く知ってほしいと話します。
沖案観光コンベンションビューロー黒島伸二さん「訪れるその地域の環境とか事情とかあとは住民の生活とかにもちろん配慮いただくというのはそうなんですけど観光をすることで、その地域にとって何か役に立っているみたいなことに気づくことで、よりその旅の楽しさというのが深いものになっていくと思うんですよね。」
１月、県外を拠点にする雑誌やウェブマガジンなどのライターや記者たちが参加したのは沖縄コンベンションビューローが企画した沖縄の産業と社会問題を知るエシカルツアーです。午前中は沖縄の産業を知ることを目的に東村の又吉コーヒーで実を採るところからコーヒー１杯を入れるまでの工程を体験しました。
スタッフ「糖度はすごい上で２０度以上あるので良かったら採って口に入れて舐めてみてください。」参加者「食べました。結構甘いですね。料理のサラダとかに上手く応用したら味のアクセントになる感じの甘さでしたね。」「めくって押し出すとすべり出てきますので種と皮を分けてください。」
収穫した後は実の一つ一つの皮を剥き種を取り出し火にあてていきます。
又吉拓之代表「次の工程はこのコーヒーの種をコーヒーの豆にすることが次の工程なのですが、さあ何をしたら種から豆になっていくのでしょうか。その答えは種の殻を剥くこと。」
洗米器を使って殻と豆を分離していきます。そしていよいよ豆の状態になったら焙煎の作業です。豆を１５分程火で炙っていきます。
又吉さん「緑から黄色になります黄色から赤茶色茶色という風に色が変わっていきますので、そういった色の変化をまず見ていってくださいね。」焙煎が終わり全ての工程を自らの手で仕上げた豆を挽いたあとオリジナルの一杯を味わいます。
参加者「うまうま、めちゃくちゃ美味いです。感じたことがない変なえぐみとかないですよね。」
又吉さん「一つ一つ選別しましたよねあの選別の作業人がやります。きょうはこの一杯分があれだけの手間でした。でも生産地では何トン何十トンという量を人がやるんです。美味しいコーヒーをつくるために手間と時間と人をかけて作っている背景があるんですね。」
「ぜひこれからも美味しいコーヒーを飲む機会はたくさんあるとおもいますけども、その背景には必ず生産者がいるというところにひとつ思いを馳せていただけたら非常に嬉しく思います。」
地球の歩き方清水裕里子プロデューサー「焙煎してとか色々工程を経て飲んだコーヒーがとても美味しかったですし、また沖縄のコーヒーというものをより知りたくなりました。生産者さんの顔が見れるコーヒーを買おうかなという気持ちになったのでこのツアーを通して得たものは大きいかなと思っています。」
エシカルな旅でその土地の社会問題を知るため、ライターや記者が向かった先は海で拾われたゴミを使って指輪やランプシェードなどを作ることができる古宇利島のトゥルーブルーです。
ＴＲＵＥＢＬＵＥ共同代表玉村めぐみさん「沖縄ってこんなに海が綺麗なのにもかわらずゴミが多い地域常に上位なんですね。私たち人間が何気なくポイっと捨てたゴミが気づかないうちにめぐりめぐって私達に人間の体に戻ってきてしまいます。」
「ちょっと大きいようなゴミは電動ののこぎりでカットしてから粉砕をしていきます。」この日はゴミが社会にもたらす問題について学んだあとそのゴミを用いて指輪作りに挑戦しました。
ウェブマガジンＥｔｈｉｃａｌＣｈｏｉｃｅ田中律帆さん「参加する前はエシカルだったらちゃんとしないといけないなという気持ちで参加していたんですけど実際やってみると楽しかったので、楽しいからやりたいそれが実は環境に良かったという文脈のほうが広がるかなと思いました。」
ウェブマガジンＳｏ－ｇｕｄｕ新井那知さん「環境に配慮した形での旅・ツーリズムというところはこれからも需要に繋がっていくかなと思いますので、そういった新しい旅のニューノーマルというところを執筆の中でいれてご紹介させていただければなと思っています。」
観光地の自然・環境・文化・課題に触れ、その土地に優しい旅をするという意味を持つエシカルトラベル。沖縄が持続可能な観光地であり続けるために訪れる側・受けいれる側に浸透し始めています。
