コロナの影響で夏の甲子園が中止となった、2020年夏。当時の球児を対象にした交流試合が甲子園球場で開かれました。長野県内からは、佐久長聖のOBが参加。「あの夏を取り戻す」かのように、はつらつとしたプレーを見せました。
憧れの「甲子園球場」でプレーする選手たち。2020年、高校3年生だった「元球児」です。
新型コロナの影響で甲子園大会が中止となった当時の球児たちを対象に29日、交流試合が行われたのです。
長野からは県の独自大会を優勝した佐久長聖OBが参加するなど、全国から42チームが集まりました。
試合の前には本番さながらの入場行進も。
交流試合は当時の球児らが呼びかけ、クラウドファンディングで費用を集めて実現しました。
選手宣誓:
「新型コロナウイルスによってさまざまな苦しみを受けたこの世代。一投一打に思いを込めて正々堂々と戦い抜くことを誓います」
佐久長聖は第一試合に登場。愛媛の松山聖陵と対戦しました。
1回裏、佐久長聖の3番は当時の主将・藤原太郎さん。特別な思いでこの試合に臨んでいました。
2020年夏の県の独自大会。佐久長聖は決勝で飯山に勝ち優勝を決めました。
しかし、目標にしていた甲子園大会はありません。
当時、藤原さんはー。
藤原太郎さん(当時高3):
「甲子園大会がなくなっても、こうしていろいろな方に支えられて野球ができて、自分たちがやってきたことは間違いじゃなかったと証明できうれしかった」
この時は、感謝を口にしていましたが、やはり心残りがありました。
3年越しの思いを胸に立った甲子園の打席でー。
3塁打!
佐久長聖OB・藤原太郎さん:
「高校1年生の時に甲子園に出たときは、代打で三球三振して、その結果を覆せて。実はその時のユニホームを背番号もそのまま着てきて、そういう結果(初ヒット)が出たのでとても満足」
喜びを感じながらプレーする選手たち。
チアリーダーやブラスバンドもー。
保護者らも応援に駆け付ける
佐久長聖OBの保護者:
「感動です。入場行進の時点でうるっときてました」
試合は1時間10分の時間制限があり、1対1のまま6回表で終了。それでも選手たちからは笑みがこぼれていました。
佐久長聖OBの保護者:
「佐久長聖のユニホームを着て(甲子園の)打席に立てたことに感動、胸いっぱい」
佐久長聖 当時の主将・藤原太郎さん:
「すごく楽しい貴重な時間だった。一瞬に感じる短い時間でしたけど、こういう機会をつくってもらえて感謝してます」
あの夏を取り戻した元球児たち。この経験を今後に生かしていきたいと話していました。