14日午後1時半ごろ、札幌市内を走行中の車からタイヤが脱落。父や姉とともに坂を登っていた4歳女児にタイヤが直撃、意識不明の重体になっています。

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事故直後の様子を捉えたドライブレコーダー映像をみると、タイヤの外れた車が傾いた状態で止まっています。タイヤはこの下り坂を70mにわたって転がり、女の子に衝突しました。

タイヤが外れ傾いた状態で止まっている事故直後の車
タイヤが外れ傾いた状態で止まっている事故直後の車

事故を起こした車は軽自動車ですが、通常より大きなタイヤが取り付けられ、車高が上げられているのがわかります。

軽自動車だが大きなタイヤが取り付けられている
軽自動車だが大きなタイヤが取り付けられている

ボルトの締めが甘かった?事故直前の映像でタイヤを気にする様子も

過失運転致傷の現行犯で逮捕された若本豊嗣容疑者(49)。

事故現場近くにある防犯カメラの映像には、事故直前、容疑者とみられる人物が事故を起こしたものと同じナンバーの車でグルグルと同じ場所を回る様子が映っていました。

事故直前 容疑者とみられる人物が運転する車がグルグルと回っている
事故直前 容疑者とみられる人物が運転する車がグルグルと回っている

タイヤの状態が気になったのでしょうか?車から降りてきてタイヤをのぞき込む様子も捉えられていました。

左前輪をのぞき込む容疑者と思われる人物
左前輪をのぞき込む容疑者と思われる人物

事故を防ぐことはできなかったのか?専門家を取材

「めざまし8」は、車の専門家と車の整備を長年担当してきた整備会社を独自取材。
違法な改造の危険性が浮かび上がってきました。

交通事故鑑定人 中島博史氏
交通事故鑑定人 中島博史氏

交通事故鑑定人 中島博史氏:
(今回の事故現場のような)下り坂ですと、むしろタイヤは加速していってしまう状態。
タイヤが単独で転がっている時はほとんど無音です。振動を発しにくい上に、舗装されている平面の道路なので、非常に静かに転がってしまいます。

また、50年近く車検などの車両整備事業を行ってきた自動車整備会社を取材。事故車両の映像を見てもらいました。

坂本自動車工業 坂本潤之輔社長:
もうこれ、オーバーフェンダーで、軽のナンバーじゃん。違反じゃない?

真っ先に指摘したのは、車両の両サイドに取り付けられた
「オーバーフェンダー」と呼ばれる出っ張りのような部品。

坂本自動車工業 坂本潤之輔社長:
基本的に軽自動車は規格がぴっちり決まってるんで、どのメーカーも。オーバーフェンダーつけた時点でもうアウトなんですよ。

坂本自動車工業・一級自動車整備士 坂本隼輔さん:
車検を通らないと思います。
坂本自動車工業 坂本潤之輔社長:
うちでは車検受け付けかねる車だね。

“車検を通らない状態”で公道を走行していた違法な改造車だと指摘。タイヤが外れた原因については?

坂本自動車工業 坂本潤之輔社長:
ボルト自体が全部折れてるならわかるんだけど、ボルトが残ってるということは締めが甘かったんじゃなかろうかと。きれいに残ってるもんね。
この時点(事故直前にグルグル回っていた様子)で彼がフロントに異変を感じているのは間違いない。ここでもし緩んでるのが確認できたら、ほんのわずかでも締め込んでやれば坂道で外れなかったと思われる。

現場には、タイヤをとめていたとみられるナットが外れ、路上に残されている様子も…。

事故現場にはタイヤをとめていたと思われるナットが…
事故現場にはタイヤをとめていたと思われるナットが…

関係者によると、事故を起こした車は若本容疑者のものではなく、他人の名義だったこともわかっています。
取材から見えてきたのは、日常的に車の改造を行っていたとみられる若本容疑者の姿でした。

「友達の車もいじっていた…」日常的に改造か

近隣住民:
(改造を)全部自分でしてた。除雪機も自分で直してたし。友達の車もいじったりしてたみたい。若いやつはみんなここに集まってくる。

仲間とともに車の改造をしていたという若本容疑者。15日、容疑者の自宅周辺を取材すると…

容疑者の自宅前に止められている2台の車
容疑者の自宅前に止められている2台の車

取材スタッフ:
自宅の前に車が2台止まっています。
軽自動車の方は車高が高くなっていて、タイヤが(車体から)はみ出しているように見えます。

住宅の前に置かれているのは改造したとみられる軽自動車。さらに・・・

取材スタッフ:
(住宅の)裏手側にはタイヤが山積みになっています。

住宅の裏にはタイヤが山積みになっている
住宅の裏にはタイヤが山積みになっている

自動車情報誌「ベストカーWeb」の塩川雅人編集長は、こうした車の改造が、身近になっているといいます。

自動車情報誌「ベストカーWeb」 塩川雅人編集長:
女性ユーザーが増えて、特にキャンプブーム・アウトドアブームも後押しして、キャンプ場に行く車としてもかなり人気が出てきた。
本当に99%の方は、法律で定められた範囲でカスタマイズされていて、後は部品メーカーさん、用品メーカーさんも厳密な基準の中で製品を出されているので。
ショップさんでもしっかりとした整備士がいらっしゃるお店は多いので、そういうところで確実な作業をしてもらうというのはもう大前提かなと思います。

(めざまし8 11月16日放送)