4日朝から秋田県美郷町の畳店の作業小屋に立てこもっていた3頭のクマが、5日早朝、入り口に仕掛けたおりに入っているのを発見。その後、無事捕獲されました。
この記事の画像(21枚)立てこもりから、丸1日近くにも及んだ捕獲作戦。
「めざまし8」は、最初にクマを目撃した男性を取材。クマが現れてから小屋に居座り続けるまでの経緯が見えてきました。
目撃者が語る、クマが立てこもるまでの一部始終
取材したのは4日午前7時ごろ、ごみ出しに外に出たところ、クマを目撃したという男性。
クマを最初に発見した男性:
最初は(クマだと)わからなかった。見たことない生き物3頭もいたから、なんだろうと思って見たら、クマだった。そしたら俺の顔を見て、バーっと逃げていった。
その後、連絡を受けた役場が、クマを山へ追い立てようと試みましたが、午前7時20分ごろ、作業小屋へ入ってしまったといいます。
作業小屋の中には、乗用車や作業車などが止めてあり、当時、中には作業中の男性が1人いましたが、男性の「クマが入ったぞ!」という声に気づき、クマと遭遇することなく逃げることができました。
その後、県の職員や猟友会、警察などがかけつけ、現場は緊迫した空気に包まれました。
防災無線によって午後3時半より“クマの駆除”を行うことが伝えられます。
しかし…ここで問題が。
美郷町役場 総務課:
要は、外に逃がして出てきたところを駆除するというような、単純な作戦だったんですが。爆竹とか壁をたたいたりして脅しても、全然、中に立てこもったまま出てこなかったので、それを1時間から1時間半ぐらい続けて、結局暗くなって、きょう(4日)はやめたという格好です。
様々な方法を試したものの、クマが作業小屋から出てくることはなく、作戦は失敗。
夜になっても、クマが出てくる気配は一向にありません。
そして、立てこもりから20時間以上が経過した、5日の早朝…。
田中良幸リポーター:
小屋の前に警察官、さらには猟友会の方が集まってきています。前に置いてありました、大きな盾を手に仕掛けたおりの周りに集まってきていますね。どうやらおりの中にクマが入ったという情報が入ってきています。
取材を続けていたスタッフの元に、「仕掛けたおりの中にクマが入った」という情報が入ってきました。
なぜ人里に…暑さによる“餌不足”が影響か?
親子とみられる3頭のクマが立てこもった畳店は、周辺に認定こども園や美郷町役場もある住宅街です。クマたちは、なぜ人間が暮らすこの場所に現れたのでしょうか?
近所の住民に話しを聞いてみると…。
――この辺ってクマとかよく出るんですか?
近隣住民:
全然出ない、初めてだ。
このようなことは初めてだといいます。しかし、思い当たることがあるという人も…。
近隣住民:
あれ、あの木が全部柿の木。かなりなってる。これ、栗。ここに栗がなってる。
今までここにクマが来たことないから、やっぱり餌を探して、来たんでないかと。
柿や栗など、餌になるものを探していたのではないかといいます。
さらに、アジア動物医療研究センター長のパンク町田氏は、今年の“暑さ”が影響している可能性を指摘します。
アジア動物医療研究センター パンク町田センター長:
(今年は暑さで)山の植物の実り方がうまくいかないんです。ブナ類に代表されるドングリ類ですね。そうなりますとクマの食べ物が減りますので、山の中にない分は、街に来て、確保するだとか、クマの活動が活発になるということです。
子グマがいると、どうしても母グマというのは防衛行動に出やすくなってしまいますので、人間に害を及ぼす確率が増えると思います。
秋田県では、今年に入ってから30人もの住民がクマに襲われており、これは、既に去年1年間の5倍の数になります。今後も細心の注意が必要です。
(めざまし8 10月5日放送)