3人の娘を育てながら独学でカメラの技術を学んだ女性が、熊本・西原村に念願の撮影スタジオをオープンさせた。「写真を通して子育て世代を応援したい」という女性フォトグラファーの思いを取材した。

女性フォトグラファー・坂本マヤさん

スチール写真専門のカメラマン、いわゆる、フォトグラファーの坂本マヤさんは、母親ならではの目線で子どもたちの自然な表情を引き出し、自由な動きに合わせてシャッターを切る。

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フォトグラファー・坂本マヤさん:
子どもさんたちに「こうして、ああして」と言ってもやってくれなかったりすることも多いし、自由にさせている方が楽しそうな顔をしてくれる。ナチュラルな表情を撮ることが好きなのでそうなるように心がけている

熊本・西原村の丘の上にある撮影スタジオ「Latte photo 森の中の小さなアトリエ」だ。この日は2歳と0歳の兄妹の家族が、誕生日の記念撮影に来ていた。

撮影に来た母親:
自分の携帯で撮るのとは画質も違うし、(子どもが)泣かないで自然な笑顔で撮ってもらっているので(出来上がりが)楽しみ

約1時間で300枚以上を撮影した。

3人の娘を育て独学でカメラの道へ

坂本さんは19歳で長女を出産し、3人の娘の子育てに追われながらも趣味で始めた「カメラ」の魅力にのめり込み、独学で技術を学んだという。

熊本市東区でカメラ雑貨を販売する店を営みながら出張撮影で腕を磨き、2023年春に念願だった撮影スタジオをオープンさせた。スタジオの場所に西原村を選んだのは、この景色にほれ込んだからだ。

坂本マヤさん:
あっという間にうちの子どもも成人してしまった、子育て期間って長いようですごく短かった。いま思うと写真に残しておけばよかった、って瞬間ってすごく多い。だからこそ、後悔してほしくない

教え子はのべ200人 カメラの魅力伝える

8月下旬に坂本さんのスタジオで、あるワークショップが開かれた。

「アーティシャルフラワー」と呼ばれる造花を使ってオリジナルのフラワーボックスを作り、記念撮影をするというイベントだ。

参加者の中には坂本さんの”教え子”のカメラ女子も…。坂本さんは5年前から初心者向けのカメラ教室を主宰していて、これまでにのべ200人以上の女性にカメラの魅力を伝えてきた。

カメラ教室の生徒・杉本愛恵さん:
(カメラを)買っただけでオート以外の機能を使っていなかったけど子どもの写真をきれいに撮りたくて(教室に通った)。(坂本さんの写真は)やわらかくて優しい。人柄がにじみ出ていてお母さんが撮影している(という感じ)子どもの自然な表情が一番の魅力

ふと見たときに心が和む写真を

坂本マヤさん:
子どもさんがこんなにいい表情しているんだってところにスポットを当てて、ママの気持ちが落ち着いたらいいなと思う。写真を見てきのう怒っちゃったけど、でもこんなにかわいい時あるから大丈夫みたいなことを思ってくれたらうれしいなって思う

「慌ただしい日常の中でもふと見たときに心が和むような写真を撮りたい」、坂本さんの写真には、そんな子育て世代に向けたエールが込められている。

(テレビ熊本)

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