中古車販売のトップ2社で相次いだ不祥事発覚。社長辞任を発表した業界第2位のネクステージの元社員の口から、両社に似た体質があったと語られた。

「環境整備」とよく似た「役員巡回」が3カ月に1回

不適切な保険契約の発覚などを受け、中古車業界第2位のネクステージが浜脇浩次社長の辞任を11日夜、発表した。

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業界1位のビッグモーターに続くトップの辞任。背景に何があったのか。FNNは、ネクステージの元社員のAさんに話を聞くことができた。

ネクステージには、ビッグモーター出身の社員が複数いたという
ネクステージには、ビッグモーター出身の社員が複数いたという

ネクステージ元社員 Aさん:
ビッグモーターを辞めざるを得ない方だったり、そういう人たちはネクステージに行く流れがあったかな。周り見渡しても、元ビッグモーターのスタッフが複数いたりとか…そもそも中身はビッグモーターだったんですよ。

ネクステージ元社員 Aさん:
結局、何も実態変わらないなって思ったのが、入社した直後ですね。

不祥事が明らかになったネクステージには、ビッグモーター出身の社員が複数いたという。実はAさんもその1人で、以前はビッグモーターに在籍していた。

Aさんは、ネクステージにはビッグモーターの体質が引き継がれていたと話す。

「すごく現場としては、威圧的には感じていました」
「すごく現場としては、威圧的には感じていました」

ネクステージ元社員 Aさん:
名前こそ環境整備ではなかったんですけど、役員巡回といいまして、社長含む役員が高級な輸入車に乗って店舗を回ってくるということが3カ月に1回ぐらいありまして。すごく現場としては、威圧的には感じていました。

パワハラの温床として問題視された、ビッグモーター幹部による環境整備点検。その環境整備とよく似た形の役員巡回が、ネクステージでも行われていたという。
役員巡回では、店舗の美化チェックに加え、売上げを確認する作業なども行われ、社長自らが店舗を訪れることも。

ネクステージ元社員 Aさん:
ビッグモーターじゃんと思いますね。名前が違うだけで、やっぱりあるんだと思いました。

渦中の店舗には客の姿はなく…

ネクステージは、社長辞任について「これまで行ってきた対策が充分なものではなく、より踏み込んだ対策が必要。新たな経営体制のもと、経営をしていくべきだ」と文書で説明。

渦中の店舗は、現在どのような状況なのか。取材班は都内の店舗に向かった。

ネクステージの都内店舗。駐車場には車が少なく、店舗内にも客の姿は見えない
ネクステージの都内店舗。駐車場には車が少なく、店舗内にも客の姿は見えない

記者リポート:
ビッグモーターと違って街路樹があり、植え込みも青々としていますね。お店の中を見ると、お客さんはいなそうですね。がらんとしています。

店舗の駐車場には車が少なく、空きスペースが目立つ。外からは商談用とみられるスペースが見えるが、客の姿は見えない。

ビッグモーターに端を発した、中古車販売のトップ2社で相次いだ不祥事の発覚。専門家は次のように話す。

自動車評論家 国沢光宏さん:
業界全体に影響があると思います。いろんな修理工場で「大丈夫なのか」とか、「本当なのか」という話を最近よく聞きます。なんとか業界で是正していかなければいけないと思います。

実態解明に向けて、鈴木金融相は9月12日、ビッグモーターと損害保険ジャパンに対し、19日に立ち入り検査を始める予定であることを明らかにしている。
(「イット!」 9月12日放送より)

※FNNでは「ビッグモーター不正問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。