2024年、愛知・名古屋市熱田区に新しい商業施設が開業する。地元で商売をする人たちは盛り上がりに期待を寄せている。

「街づくり」の起爆剤となるか

名古屋市熱田区の熱田神宮の目の前に2024年秋、新たに商標施設が開業する。名古屋鉄道の商業施設で、神宮前駅の西側、スーパーマーケットの「パレマルシェ神宮」が入居していた8階建てビルの跡地に整備される計画だ。

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約7,000平方メートルの敷地に、日本の伝統建築のような木造平屋建ての建物を3棟建設する予定で、約1,100平方メートルの延べ床面積に15軒ほどの店が入居する予定だ。敷地内にはキッチンカーなども誘致するという。

熱田神宮の観光客数は、コロナ前の2019年で実に740万人と名古屋随一の観光地だが、熱田神宮周辺の商店街はシャッターが目立つ。実際、正午過ぎのお昼時、商業施設の開業予定地の北側に位置する商店街を歩いてみると、正午過ぎにもかかわらず、ほとんどの店がシャッターを下ろした状態で、観光客の姿もほとんどなかった。

参拝者:
(周辺は)イオンとかぐらいしか僕は思いつかないですね。(お土産は)神宮のお守りくらいしか思いつかないです

商業施設ができる場所は、熱田神宮の目の前。この場所の北側のエリアも名古屋市が再開発を検討している。

高層ビルではなく木造平屋建てを採用するなど、歴史ある熱田神宮とマッチしたデザインとなる。

熱田名物の「きよめ餅」など地元で商売をする人たちからも、この計画には、観光客が周辺に流れるような「街づくり」の起爆剤になることが期待されている。

きよめ餅総本家・後藤徳生取締役:
伊勢神宮のおかげ横丁みたいになってほしいなと、皆さん結構期待しているという話なので、楽しみにしています

居酒屋大ちゃん・大矢晃敬さん:
熱田神宮と伊勢神宮は、一生かけて回りたいという旅行先の1つだったので

神宮の前にある商業施設といえば、伊勢神宮の内宮(ないくう)前にある「おかげ横丁」が人気だ。三重を代表する一大観光スポットで、連日のように観光客が訪れている。

名古屋では、商業施設などを整備して観光客が増えた事例として名古屋城がある。2018年に本丸御殿を復元し、同じ年にグルメなどを集めた「金シャチ横丁」がオープンした。2017年度には190万人ほどだった観光客数は、2018年度には220万人と30万人も増えた。

周辺に観光スポットのイメージがない熱田神宮。しかし、そもそも熱田神宮は1900年以上の歴史を誇り、三種の神器の一つ「草薙剣」が祭られるなど、格式の高い神社だ。歴史的な観光地周辺の整備は、効果が期待できそうだ。

きよめ餅総本家・後藤徳生取締役:
お昼に開く店がどんどんこれから増えていって、いろいろ連携していくような感じ、人が流れたりすると一番いいかなと思います

居酒屋大ちゃん・大矢晃敬さん:
外国の方ももちろん、日本人の方もいっぱい観光に来てくれている中で、おもてなしでお返ししていきたいと思っている。名鉄神宮前の再開発がきっかけづくりになるんじゃないかと思っています

(東海テレビ)

東海テレビ
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