トレードマークは、緑のチューリップハット。
器用な手先で数々の工作を生み出すその姿は、長い間、子どもたちの心をとらえ続けた。

NHKの教育番組「できるかな」のノッポさん役で知られた、高見のっぽさん(88)。

2022年9月に、88歳で亡くなっていたことが明らかになった。

高見のっぽさん(2016年取材・当時82)「(本当は)“ぶきっちょ”なんです。こんなの言っちゃいけないって、みんなに言われている」

1934年、映画の町として知られる、京都・太秦に生まれたのっぽさん。

1960年代からNHKの番組に出演するようになった。

そんなのっぽさんの名が広く知られることになった番組が、1970年から20年余りにわたって放送された「できるかな」だった。

番組の中で、さまざまな工作物を作り出したノッポさん。

181cmの長身にチューリップハット姿で、ひと言も発することなく、ジェスチャーだけで、ものづくりの楽しさを伝えた。

放送当時子どもだった人々は、30年以上がたったいまも、ノッポさんの姿が頭に残っていると話す。

50代「たくさん楽しい工作をありがとう」

のっぽさんの功績は「できるかな」にとどまらない。

ガチャピンも出演していた、フジテレビの「ひらけ! ポンキッキ」では、構成作家を担当。

当時のスタッフによると、子どもの心に響く台本を手がけていたという。

画面の中では寡黙なキャラクターを貫く一方、裏方もこなした、のっぽさん。

子どもたちへの熱い思いを抱き続けていた。

高見のっぽさん「(大人と比較して)頭も賢さも全部同じと思っているから。全部わかっている。だから親の背中見てという。背中も前も全部見ている」

関係者によると、のっぽさんは、亡くなる直前まで元気な様子だったという。

そして2022年9月の死去が、10日に公表されたことについては、のっぽさん自身が周囲に語っていた「みんなをわずらわせたくないから、亡くなっても半年以上は公表しないように。風のように自分は逝くからね、見ててよ」という思いを尊重した結果だった。

10日は、生きていれば、のっぽさんの89回目の誕生日だった。