東京・新大久保の「ボーイズバー」が摘発され、経営者ら4人が逮捕された。「ガールズバー」の男性版で、”韓流”を売りにしていたという。売り上げは、2店舗で3億円を超えるとみられている。

「無許可のボーイズバーがある」

「新大久保に、無許可の『ボーイズバー』がある」。警視庁に寄せられた情報が事件の端緒だった。風俗店などの取り締まりを担当する保安課が、インターネット上で情報収集を進めたところ、当該店舗を発見。今年4月から内偵捜査をスタートさせた。

「ボーイフレンド」経営者・貫田勝哉容疑者(61)(8月27日 新宿署)
「ボーイフレンド」経営者・貫田勝哉容疑者(61)(8月27日 新宿署)
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その無許可の店舗が、新大久保で営業をしていた「ボーイフレンド」と「ボーイプリンス」だった。「ボーイズバー」とは、ガールズバーの男性版。若い男性従業員が、カウンター越しでサービスを提供する。ホストクラブとは違って「接待」行為はしない。

風営法では、「接待」行為について、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と規定されている。店で「接待」をするには、各都道府県の公安委員会の許可が必要だ。しかし、この2つの店は、無許可で「接待」行為をしていたというのだ。

新大久保で”韓流”を売りに…

さらに、この2つの店は、従業員の多くを、韓国人の若い男たちが占めていた。新大久保と言えば、”韓流”の聖地とされている。保安課などは、4月8日、立ち入りを実施。違反を見つけ、「指導」に及んだものの、その後、改善は見られなかったという。

「ボーイプリンス」経営者 キム・ジェワン容疑者(34)(9月16日 戸塚署)
「ボーイプリンス」経営者 キム・ジェワン容疑者(34)(9月16日 戸塚署)

ここで、この2店舗のシステムを紹介したい。営業時間は、午後7時~午前6時で、年中無休。カラオケもあり、飲み放題、歌い放題で50分2000円。延長料金も同値段だった。従業員のドリンクは1杯800円だが、ボトルを入れるとなれば1本6000円から、15万円のものもあった。

店側は、自分たちの営業スタイルを「K-POPカラオケバー」と主張していたという。しかし、内偵捜査の結果、カウンター越しの「接待」行為が確認されたそうだ。深夜営業の許可は得ていたものの、接待行為をする「1号営業」の許可は得ていなかった。指導後も営業を続けていたため、保安課などは、今年8月、強制捜査に着手した。

風営法違反で逮捕、さらに従業員は「留学生」

逮捕されたのは、「ボーイフレンド」の経営者・貫田勝哉容疑者(61)と、「ボーイプリンス」の経営者で韓国籍のキム・ジェワン容疑者(34)ら合わせて4人。容疑は、風営法の無許可営業だった。さらに、捜査の過程で、韓国人従業員を違法に働かせていたことも判明した。

摘発された韓流ボーイズバーは「K-POPカラオケバー」を名乗っていたというが・・・(東京・新宿区)
摘発された韓流ボーイズバーは「K-POPカラオケバー」を名乗っていたというが・・・(東京・新宿区)
店内の様子(SNSより)
店内の様子(SNSより)

「ボーイフレンド」の従業員は18人。このうち12人が韓国人だった。「ボーイプリンス」にいたっては、従業員26人のうち24人を韓国人が占めていた。店側は、インスタグラムや、日本にいる韓国人のコミュニティーサイト「ドンユモ」などで、韓国人の従業員を集めていた。

時給は1200円~1500円。売り上げに応じてボーナス加算も導入されていたという。当然、人づての紹介でも、韓国人の従業員を雇用していたようだが、問題は「在留資格」だった。従業員の大半が、「留学生」の資格だったというのだ。女性客を相手に、カラオケでデュエットをしていれば、それは資格外活動になる。

売り上げは2店舗で3億円超

「ボーイフレンド」の店長 ハン・ミング容疑者の資格は「技術・人文知識・国際業務」だった。このため保安課などは、ハン・ミング容疑者を、入管難民法の資格外活動の疑いで再逮捕。さらに、資格外活動と知りながら、従業員らを働かせていたとして、貫田容疑者やキム・ジェワン容疑者らについても、不法就労助長の疑いで再逮捕した。

1年半程度で、2つの店で合わせて3億円超を売り上げていたという。
1年半程度で、2つの店で合わせて3億円超を売り上げていたという。

ところで、系列とみられているこの2つの店は「結構、人気店だった」(捜査幹部)。SNSなどを通じた集客の他に、客引きもしていたという。「ボーイフレンド」は、カウンターのみ19席とテーブル席が5つ。1日平均12組の客が来ていたとのこと。営業開始からのおよそ18カ月間で2億500万円ほどの売り上げがあったという。

「ボーイプリンス」は、カウンターのみ19席で、1日の来客数が平均11組程度。売り上げは、営業開始からのおよそ16カ月間で1億3000万円にのぼっていたという。捜査幹部によると、新大久保周辺では、同じような店が、他にも3店舗ほど営業しているとのこと。ただ、今のところ、この聞き慣れない「韓流ボーイズバー」が増えているという訳ではないそうだ。