ビールの中に浮かんでいるピンクや赤色のボール。
このかわいらしい謎のボールが入った写真映えしそうなビアカクテル。
あるイマドキの働きから生まれたものだった。

金曜日の丸の内。
仕事終わりに至福の一杯が飲めるこの店で提供される、あるオリジナルビアカクテル。
スーパードライをベースにした「BEER DROPS」。
ポイントはスイカやピーチなどの果汁を特殊な技術で凍らせた果汁氷。

アサヒビール業務用統括部・松生まゆ子副課長:
通常の果汁氷の約6倍溶けにくくなっていて、約20~30分かけて溶けていくイメージ。
最初はビールを飲んでもらい、だんだん溶けてくることによって、フルーツの味わいが出てくる

きっかけは「wework」

この商品、生まれるきっかけとなったのはアサヒビールの会議室、ではなくコワーキングスペースの「wework」。
アサヒビールは去年3月から異業種との交流を目的に一部の部署をweworkに移設していた。

(左)アサヒビール事業推進室・三橋憲太室長 (右)大日本印刷 情報イノベーション事業部リーダー・松嶋亮平さん

アサヒビール事業推進室・三橋憲太室長:
外部の業界外の人とのコミュニケーションの中から、何か新しいものが生み出せるのではないかと。
ビール類の総市場もなかなか国内で減少傾向が続いているし、酒の種類も多様化している中で、
お客様の選択肢が増えているところで、お客様に新しい価値を提供していくことが必要。

そんな中、大手印刷会社の大日本印刷からある提案がもたらされた。
大日本印刷は、特殊な果汁氷「アイスボーール」の開発を行うスタートアップ企業の「FULLLIFE(株)」と、このビアカクテルを考案し、事業化に向けた話を持ち掛けた。

新商品のキーワードは「スピード」

大日本印刷 情報イノベーション事業部リーダー・松嶋亮平さん:
通常、そういった提案をアサヒビールに売り込むと、商品開発で非常に多くの時間がかかってしまう。
こういった場所であると、何かをやるために集まってきているので、
その思いが共有化されていた場合に、いろんなプロセスが非常にスピーディーに進んでいく。

大日本印刷が提案してからアサヒビールで商品化するまでの期間はわずか3カ月。
まさに交流の場としてのコワーキングスペースによって実現したスピード感だった。

アサヒビール事業推進室・三橋憲太室長:
普段weworkで仕事をしている時、知り合いがまた知り合いを紹介してくれたり、
ネットワークが広がっていくので、
これからもいろいろと新しいことができる可能性はすごく感じている。
今まで思いつかなかったような組み合わせとかで、新しい体験価値をお客様に提供できるかもしれないので、そういったコラボレーションが近いうちにできたらいいなと思う。

「個を生かす」

内田嶺衣奈キャスター:
コワーキング。
広がりを見せていますけれども、上手くいくポイントっていうのは?

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
私はこれは企業の役割を変えることがポイントなんじゃないかなと。
「個を生かす」ということです。
イノベーションというとけっこう会社の中で実は能力があったりアイデアがあったり、
情熱がある人が結構いるんです。
ただこれが実際の組織の中で潰されてしまうということも結構多い課題なんですよ。
これを解決するためには、コワーキングもそうだし、
副業とか兼業とか個人にいろんな新しい世界を経験させて、
個を生かして、そこで出てきたアイデアを後押ししてあげる。
こういう風に企業の役割を変えていく。この辺がポイントなんじゃないかなと思います。

(「Live News α」2月21日放送分)