これは9月24日午後7時40分すぎ、深川留萌自動車道の北竜ひまわりインターチェンジを過ぎたところで撮影された映像。
人や動物が立ち入らないはずの高規格道路上で、突然シカが右側から現れ、激しく衝突した。
「突然目の前にシカが現れたって感じですね。頭の中もパニックになったような感じ」(事故に遭った男性)
幸いドライバーの命に別条はなかったが、車は大破した。

北海道で増加するシカと車の事故
北海道ではシカと車の事故が増え続けている。
道警によると、2025年に起きたシカと車の事故は6705件。
調査を開始した2004年以来、最多となった。
このうち10月が最も多く1531件にのぼり、11月とあわせ約4割が秋に集中している。

なぜ事故が増えているのどろうか。
「シカと車の事故が多発している苫小牧市です。こちらの看板には『シカ飛び出し注意』と書かれています」(川瀬雄也記者)
2025年448件と最も事故が多かった苫小牧市。
事故が多発する理由を聞くと。

「シカの個体数が減っていないうえ、雪が少なく定着する個体も多いことや、去年のエサ資源の影響による市街地への定着が要因と考えられる」(苫小牧市環境生活課 千葉正樹さん)
苫小牧市では雪が少なく冬も過ごしやすいことや、餌を求めてシカが市街地へ近づいたことも、事故が増えた原因と考えている。

取材中にも。
「道路から数百メートルの地点です。2頭のシカが草を食べています」(川瀬記者)
交通量の多い道のすぐそばで、2頭のシカが草を食べていた。
シカは10月以降、繁殖期に入るため動きが活発になる。

シカとの事故を防ぐ方法は
どうすれば事故を防げるのか。
多発する道路には特徴があるという。
「おそらくシカが飛び出して避けるために急ブレーキを踏んだと思われる」(千葉さん)
道路に残された、急ブレーキをかけたとみられる痕が判断材料になるそうだ。

これは北海道東部の浦幌町で、シカと衝突した時の映像。
よく見ると、シカが右側から飛び出す手前の道路にブレーキの痕が残されていた。

「ブレーキ痕があると分かったときには”シカが出るかもしれない”と思ってほしい」(千葉さん)
注意が必要なドライバーは北海道民だけではない。
レンタカーでの衝突事故も相次いでいる。

シカ事故の状況や注意点を客に説明している。
「びっくりした。クマが多いと聞いていたがシカの事故も多いとは初めて知った」(神奈川県から)

前方が大きく壊れたレンタカー。
この店ではシカとの事故が相次ぎ、2025年は10件に。
うち4台が廃車になった。
「タイヤもゴムの部分が切れてしまってめくれているんです」(ガッツレンタカー苫小牧店 山崎茜店長)

バンパーが外れ、タイヤ周りも車体も大きく壊れたこの車。
9月13日、北海道東部の足寄町でシカを避けようとして路外に転落したという。

「廃車になってしまうことも多い。廃車になると売り上げにも影響する。車の修理費も小さくないので経営としては圧迫しているのではないか」(山崎店長)
店がシカ対策として取り組んでいるのが。
「市販の『シカよけ笛』を車両に設置している」(山崎店長)

シカが聞き取ることができる超音波を発し接触を避ける、いわゆる「シカ笛」。
前方に装着し事故を減らす狙いだが、専門家は。
「(超音波で)道路から逃げてもらいたいというのが理想ではあるんですが、全てのシカが車から高い音が鳴ったとしても逃げるのは難しい」(帯広畜産大学 浅利裕伸准教授)

その上で、事故を防ぐためのポイントは。
「シカはいるかもしれないと理解した上で出そうな場所を走っていただきたい。警戒標識がある所では周りをよく見る、減速して走るということを注意して走ると良い」(浅利准教授)
衝突すると重大な事故になりうるシカ。
事故を防ぐために細心の注意が必要だ。

【シカとの遭遇・衝突を防ぐ4つのポイント】
1 早朝、夕方は特に気をつける
早朝や夕方は鹿が活発に動く時間。そして、事故が多いのは深夜の時間帯。
早朝、夕方、深夜は気をつけてほしい。
2 1頭だけとは思わない
1頭見つけて通り過ぎたから大丈夫と思った矢先に、もう1頭出てくることも。
鹿は群れでいることが多いので、後ろから来るシカに気をつけて。
3 ブレーキ痕があったら注意
例えば直線道路なら「もしかして鹿が通ったかもしれない」と
考えることが大切。
4 シカは舗装道路で滑る
鹿が目の前を横切って「このまま行ってくれるかな」「すぐ立ち去るかな」と
思いきや、滑って動けない、なかなかその場から動かないということがある。
この4点に気をつけて、鹿をはねないように注意が必要だ。

