学習面での困難や不登校を経験しながらも、自分らしく輝ける場所を見つけた小学生がいます。学習障害と向き合う小学6年生の永山花さんは、同じく不登校を経験した中学2年生の滋井さんとともに、バレエアイドルユニット「flowersnow ゆきはな」を結成。「不登校の子供たちの希望になりたい」と多くの人々に笑顔を届ける挑戦の始まりに密着しました。
見えにくい学習障害の壁
可愛い衣装をまとい、キラキラと輝くアイドル。

宮崎県宮崎市でバレエアイドル「flowersnow ゆきはな」がデビューしました。バレエを踊り、笑顔を届ける華やかな姿の裏には、つらい経験を乗り越えた過去がありました。
文部科学省の調査によると、児童の約6.5%、約15人に1人が学習面でつまづきや困難を抱えるとされています。宮崎市内にある放課後等デイサービス「寺子屋MOMO」では、社会生活での自立に向けた活動や学習を支援しています。

この施設に通う小学6年生の永山花さん。おしゃれが好きな女の子です。花さんは約半年前に学習障害の診断を受けました。現在勉強しているのは小学1年生で習う漢字や算数のドリルで、時計の読み方や漢字の練習に励んでいます。
永山花さん:
(Q.漢字は得意?)
いいえ、難しいです。
(Q.ひらがなは得意?)
小学1年生の頃は難しかったけど、今は簡単です。

寺子屋MOMO管理者 中山和代さん:
(Q.花さんはどんな生徒?)
まずは可愛いですね。可愛いんですが、自信を持っていないなという印象。恥ずかしくて、何をしていいかわからない、そういうオーラを出しています。
(Q.学習障害とは?)
知的障害は含みません。生活能力はあるけど、ある一部分ができない。計算ができない、字が読めないなど、生まれつきのものです。

花さんの母・ゆかりさんは、幼少期は明るく活発で歌や踊りが大好きだった花さんの特性について、小学校入学直後まで気づかなかったと話します。

花さんの母 ゆかりさん:
保育園の頃まではすごく明るくて活発で、歌ったり踊ったりするのが大好きな子どもでした。小学校入学から1~2カ月経ったときに、担任の先生から電話があって「お母さん、花さんはひらがなが読めてないようなんですよね」と言われました。それまで読み声(音読)を普通にしていたので全く気付かなかったんですけれども、どうやら読み声は、みんなが読んでいるのを耳で覚えていたみたい。

花さんの母 ゆかりさん:
(Q.勉強が嫌だなと思った理由は?)
字が覚えられなかったんだよね。授業がよくわからなかったもんね。つらかったことを思い出すと、ときどき涙が止まらなくなります。
バレエがくれた居場所
花さんは小学3年生から現在まで学校に通っていません。
しかし半年前、一歩を踏み出すきっかけとなったバレエに出会いました。

声をかけたのは、フリースクールで知り合った中学2年生の滋井踊嬉(しげいゆき)さん。踊嬉さんも不登校を経験しており、花さんにとって頼れる姉のような存在だといいます。
永山花さん:
何事もあきらめずに頑張ることが私にはできないから、すごいなと思います。

2人はバレエアイドルユニット『flowersnow ゆきはな』を結成。

滋井踊嬉さん:
不登校やひきこもりの子たちに「希望」と「勇気」を与える存在になりたいです。
舞台から広がる新たな希望
2人のバレエアイドルデビューの日がやってきました。

初ステージは例年約3000人が来場する宮崎市田野町の祭りです。衣装に着替えた2人は宣材写真を撮影。そして直前まで入念な振り付け確認を行いました。

永山花さん:
緊張します!

つらい過去を乗り越えてきた花さん。2人で挑むアイドルとしてのステージがいよいよ始まります。

そして、軽やかな音楽とともにステージに上がった2人。

大勢の観客を前に堂々としたバレエとはじける笑顔を届けます。

会場には大歓声が。

観客と一緒に踊れるダンスも披露し、会場は一体感に包まれました。

観客:
すごく可愛くて憧れました。
観客:
バレエアイドルは初めて見たので、頑張ってほしいと思います。

花さんの母 ゆかりさん:
今まで困難なことやつらい思いを経験してきたと思う。最後に、その経験は意味があることだったんだな、それでもよかったんだなと思える人生を送ってほしいです。

後日、ゆきはなの2人はUMKテレビ宮崎の生放送番組U-dokiで、パフォーマンスを披露しました。

永山花さん:
緊張したし、生放送だし、テレビのみんなが見ていて緊張しました。

滋井踊嬉さん:
初めての生出演で、初めてテレビに出たので、すごく緊張しました。だけど楽しく踊ることができました。
舞台に立って以降、花さんの日常にも前向きな変化が表れました。
永山花さん:
学校にちょっとずつ行きはじめて、クラスのみんなから「可愛いね」とか「応援してるよ」とか言われて嬉しいです。
滋井踊嬉さん:
たくさんのイベントの依頼が来ていて、大阪からの依頼も来ているんですけど、東京とか全国からのオファーが来るように頑張っていきたいです。
目に見えにくい困難に直面しながらも、支えてくれる人たちと共に一歩を踏み出した花さんと踊嬉さん。ステージの上で見せたはじける笑顔は、今、同じように悩む多くの人たちの心に希望の光を灯しています。「笑顔を届ける存在に」――その確かな挑戦は、宮崎から全国へと大きく広がっていきます。
(テレビ宮崎)
