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ポケモン絵本「カビゴンのゆめ」制作 鹿児島の絵本作家・しおみつさちかが 語る創作の裏側 |FNNプライムオンライン
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ポケモン絵本「カビゴンのゆめ」制作 鹿児島の絵本作家・しおみつさちかが 語る創作の裏側 

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台所でしめじを洗っていたら、帽子のようなキャラクターを思いついた。そのアイデアを形にするまでに、10年以上の歳月がかかった。鹿児島在住の絵本作家・しおみつさちかさんは、2025年春、世界中に愛されるポケットモンスターが登場する絵本を発表した。中学生の頃から抱いていた夢が、どのようにして現実になったのか。創作の裏側に迫った。 

「人の前で言えば、逃げ道がなくなる」 

しおみつさちかさんは1991年生まれ、鹿児島県姶良市出身。松陽高校を卒業後、筑波大学大学院を修了した画家・絵本作家だ。 

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絵本作家を目指し始めたのは、中学生のとき。絵を描くのが好きだったのはもちろん、お話を書くことにも強く惹かれていた。その夢を最初に口にしたのは、学校の弁論大会だったという。 

「人の前で言えば逃げ道がなくなるかなと思って」 

おっとりとした語り口であるものの、一度スイッチが入ると止まらないしおみつさん。

松陽高校では油絵を専攻し、大学進学後には努力が少しずつ実を結んだ。20歳のとき、初めて出したコンクールで準大賞を受賞。その後はイラストの仕事も舞い込み始めた。 

しめじが生んだキャラクター「ベニー」 

転機のきっかけは、意外にも台所にあった。 

「きのこ料理を作ろうと思ってしめじを洗っていたらボロボロかさが取れて、その姿を見てなんか帽子みたいだなぁと思って」 

こうして生まれたのが、きのこのキャラクター「ベニー」だ。「キノコのかさが取れる」というユニークなアイデアを核に、しおみつさんは絵本づくりに取り掛かった。しかし、現実はそう甘くはなかった。 

「このまま本出せるかなと思ったが、あまりうまくいかず」 

難しい期間はどれくらい続いたのかという問いに、しおみつさんはこう答えた。「10年ちょっと。何が悪かったのか分からない」。 

「筋書き優先」から「キャラクター第一」へ 

長い試行錯誤の末、しおみつさんはある根本的な問題に気づいた。 

「こんな展開にしたいからこんな動きをしてもらうとか、こんな生活にしちゃえってなると大体尻すぼみになる」 

ストーリーの都合でキャラクターを動かそうとするとき、物語は生き生きとしない。大切なのは先に「この子はどんな性格なのか」を深く掘り下げることだった。 

「どういう展開で帽子を外すのか?どんな性格なのか?この子たちはどんな性格なのかまで、掘り下げられたのはもう一回作り直してから」 

絵本の本文では直接触れない内面まで、できる限り細かく描き出す。そうして生まれ変わった「ベニーのみずたまぼうし」は、2022年、新人絵本作家の登竜門として知られるMOE創作絵本グランプリでグランプリに輝いた。10年以上かけて気づいた「キャラクター第一」という原則が、ついに結実した瞬間だった。 

世界中のポケモンファンへ——「カビゴンのゆめ」 

グランプリ受賞後、しおみつさんのもとに思わぬオファーが届いた。スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンスリープ」の絵本制作依頼だ。「ポケモンスリープ」は睡眠を計測しながらポケモンと遊べるアプリで、制作された絵本は睡眠診療を行う医療機関などに提供された。 

アプリ『ポケモンスリープ』
アプリ『ポケモンスリープ』

タイトルは「カビゴンのゆめ」。ある日突然いなくなってしまったカビゴンを、仲間のポケモンたちが探しに行くストーリーだ。ストーリーと絵のすべてをしおみつさんが手がけた。 

「世界中にファンがいるポケモンたちなので、それぞれが誰かにとってかけがえのない存在になっていると思う」 

その思いは細部にまで行き渡っている。色使いを徹底的に研究し、使い分けた色はなんと約150色にのぼる。 

こだわりはポケモンの配置にも及んだ。カビゴンを探しに仲間たちが駆け出すシーンで、誰が先 頭を走り、誰が最後尾になるかまで丁寧に考え抜いた。 

「1列になったときに誰が先頭を走るか、誰が1番後ろになっちゃうのかとか」 

先頭はピカチュウに決めた。「1番パッとかけ出してくれるんじゃないかなと思って」。ポケモンそれぞれの性格や関係性を尊重しながら物語を組み立てる姿勢は、ベニーの創作で培った「キャラクター第一」の哲学そのものだ。 

絵本は「一生のパートナー」 

鹿児島から全国へ、そして世界へ。しおみつさんが生み出す物語は、子どもたちの手元に届いた後も、長い時間をかけて読み継がれていく。 

「子供の時に大好きだった絵本を大人になって読むとまた全然違う発見があったり、全然違う出会い方ができる。繰り返し繰り返し、一生パートナーというか年齢によって違う出会い方ができるのも魅力」 

しめじのかさから生まれたキャラクター、10年以上の模索、そしてポケモンとの出会い。しおみつさちかさんが紡ぐ小さないのちは、絵本のページの中で、今日も誰かを待ち続けている。 

【動画で見る▶鹿児島の絵本作家・しおみつさちか描いた新作、ポケモンスリープ公式絵本が誕生】

鹿児島テレビ
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