健康被害が広がっている小林製薬の紅麹サプリについて、大阪市は3日、対策本部を設置し、今後の対応や原因究明について協議した。

【動画】「初動が1つの山場」と横山市長 『紅麹』問題で大阪市が対策本部設置 原因物質について「徹底的に究明する」

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竹上萌奈キャスター:まもなくこちらの会議室で、小林製薬の紅麹問題に関する、第一回対策本部会議が開催されます。

大阪市に3日、設置された対策本部。

大阪市 横山英幸市長:情報共有しながらギアを上げて、可能な限り早く原因究明と対応に当たりたい。初動が1つの山場なので、全力で取り組んでいきましょう。

大阪市の横山市長は相次ぐ健康被害について、今後の初期対応が「1つの山場」と考えを述べた。

■「プベルル酸」以外の可能性も含めて徹底的に究明を

小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」をめぐっては、摂取した人に腎疾患などの症状が相次いでいて、これまでに5人が死亡し、166人が入院したことが明らかになっている。

小林製薬などによると原因は、青カビから発生する天然化合物「プベルル酸」の可能性があり、紅麹の原料を製造していた大阪市内の工場で混入したとみられる。

また日本腎臓学会の調査によると、「ナイシヘルプ+コレステロール」を摂取し、腎障害を発症した症例があったということで、小林製薬は、健康被害の実態について再調査することを決めた。

この問題を受け、大阪市は対策本部で、今後の対応について協議した。

大阪市 横山英幸市長:いろいろな可能性を検討すべき。プベルル酸も当然ですが、別のリスクも含めて徹底的に究明する方がいい。

職員:厚労省と連携しながら、どんな検査をやって物質を特定していくのか、協議しながら実施していきたい。

小林製薬には、これまでに3万件以上の相談が寄せられていて、回収対象の商品を製造していた富山と岐阜の工場については、立ち入り調査の結果、衛生管理などに問題はなかったという。

■このあと大阪市長・厚労大臣・食品安全担当大臣で今後の対応について協議

また横山市長は3日、今後の対応について武見厚生労働大臣と話したほか、自見消費者・食品安全担当大臣とも話し合う。

竹上萌奈キャスター:東京での担当大臣との話し合いの中で、被害保障や、法人で対応しきれなかった額、被害相談が今後も増えて来ると思うが、それついては話し合う?

大阪市 横山英幸市長:いまは被害情報の把握に、物質や原因、起きた症状を明確にして対応する必要がある。このあたりを解明しながら、取り組みを進めていくステージだと思う。

小林製薬は、今回の問題を受け、来年度の新卒の採用活動を休止すると発表している。

現場で取材した竹上萌奈キャスター:横山市長は会議で『被害が増え続けてステージが変わってきた』と言いました。ただ今後の対応については、まだ原因究明と実態把握の段階にある…と発言するにとどまっています。3月22日に市の保健所に一報があってから約2週間たつ中で、はたしていま実際の対応のステージはどれほど進んでいるのかと疑問に感じました。

現場で取材した竹上萌奈キャスター:また会議があった時点では、次の会議の日時も決まっていない状況です。大阪市は小林製薬の本社と最も近くで対峙できる自治体となります。今後の補償は、いつ、どの程度されるのか。相談だけで3万件を超えている状況で、その補償額を法人1社でまかないきれるものなのか、被害者の不安が募っていると感じます。大阪市には被害者に寄り添う立場で、小林製薬と向き合ってほしいと感じました。

(関西テレビ「newsランナー」2024年4月3日放送)

関西テレビ
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