4年ぶりとなる北京モーターショーが開幕。
日系部品メーカーの生き残りへの選択とは。

25日から開幕した北京モーターショー。

主役はEV(電気自動車)などのいわゆる「新エネルギー車」で過去最多となる278車種が展示されている。

BYDの電気自動車は、音声サポートやアプリと連動する機能がついて、日本円で約140万円で購入できる。

注目は、低価格とハイスペックを打ち出したスマートなEV。

中国の大手スマホメーカー・シャオミが展開する新型EV「SU7」(約450万円)。
車の中から自宅の家電を操作できるなど、アメリカのテスラを上回る性能をうたい価格も割安なことから、中国で人気という。

心拍数や血中の酸素が測れるという車も。

中国ではEVのスマート化による競争が激化。

こうした車が、すでに市販されているという。

一方、日本企業も各社、中国の消費者を意識した新型EVを発表した。

トヨタ自動車は、中国のネット大手・テンセントとの戦略提携を発表。

テンセントが得意とするAIやビッグデータなどを活用し、中国向けのEVに搭載することで巻き返しを図りたい考え。

トヨタ・中嶋裕樹副社長「中国は“智能化”においても世界をリードしている。ハードウェア・ソフトウェアが融合し、社会インフラとシームレスにつながる、ソフトウェア・ディハインド・ビークル(SDV)が重要になると考えている」

2023年、自動車輸出台数で中国に50万台近くの溝を開けられた日本。

特に中国市場では、各社前年を割り込む販売台数となり、中国メーカーに対抗できるEVを打ち出せずにいる。

こうした中、厳しい状況に置かれているのが日系の「サプライヤー」だ。

1995年に、中国に進出した自動車部品メーカー「ユタカ技研」。

広東省と湖北省の2拠点で、親会社のホンダへ供給する排気部品のマフラーなどを生産している。

ユタカ技研における中国事業は、海外事業の売上全体の半分近くを占める。

しかし、ここ数年、中国で急速に進んだ“EVシフト”が業績に影響し始めているという。

ユタカ技研・小林滉英さん「2021年をピークに(中国で)日本車が売れていない関係で、右肩下がりの状況になっている。ピークの生産負荷に対して、今時点の(ライン)稼働率は7割程度の状況になっている」

こうした中、日系メーカーだけでなく、中国メーカーにも販路拡大を狙って始めたのが...。

ユタカ技研・小林さん「こちらは自動車のEVに使用される積層部品(コア部品)になる。中国で急速に電動化が進んでいるので、それに対応するためにEVの部品を生産できる設備を投資している」

EVの心臓部といわれるモーターのコア部分で、日本ではホンダのEVで採用実績があるという。

今後は、中国メーカーにも売り込むことを見据えて、この2月、大型の機械を導入した。

ユタカ技研・小林さん「中国が国策としてEV化を進めている中で、これはビジネスチャンスとしてとらえていて、そこに参入することで売り上げアップを狙っている。営業活動として一部はお話を色々と進めさせていただいているメーカーもある」

今回のモーターショーもチャンスととらえているユタカ技研。

中国企業の人「このモーター部品はとても繊細に作られている。しっかり作れるなら需要の見込みがあるね」

ユタカ技研・小林さん「非常に大きな反響があった。ここの中国地域で競争に勝てれば間違いなく、日本・アメリカ・アジアで勝っていける会社になっていくと思っている」